60年の歴史に幕…涙の閉店からカムバック 客の声が後押し 金物店から「刃物」専門店で再出発「これだけの品揃えはない」
ガランとした店内。するとー。 子どもたちが花束をー。 吉沢金物店・吉沢正彦社長: 「どうした(泣)。ちょっと、こんなことしなくていいよ、ありがとうね(涙)」 長女・里彩さん: 「長い間お疲れさまでした」
閉店から3カ月―。 吉沢さんは妻・弘美さんと新たな店「吉沢刃物」の開店準備に追われていました。
再起を決意したのは「研ぎ直し」の需要の高さを感じたからです。 金物店の閉店間際、「駆け込み」で500本以上、研ぎ直しの依頼が舞い込みました。
吉沢刃物・吉沢正彦さん(3月3日): 「(閉店後)どうしようかな、またやろうかなって、客からも刃物(研ぎの要望)の声が多いから、そういう声にこたえてあげなきゃいけないんじゃないのって。最初は不安はあるよね、刃物1点に絞ったから」
午前10時にオープン。 すると「金物店」時代の客が多く訪れました。 客: 「小さいころから吉沢さんちにお世話になりましたので、なくなったの寂しいと思っていたんですけど、また再スタートとなるとうれしいですね」 客(元居酒屋経営): 「今通りかかって、『吉沢刃物』って書いてあったんで、今聞いたら(元吉沢金物店)そうだって、ちょっと懐かしくて」
客: 「おうちで使う包丁なんですけど、どのあたりが」 妻・弘美さん: 「形は三徳包丁でいいですか?菜切り型もありますが」 吉沢刃物・吉沢正彦さん: 「うちのは安いのも鋼なので切れはいいんですけど、値段の違いで高くなるほど刃が硬くなるので、1回研ぐと長く使える」
三徳包丁を購入―。 三徳包丁を購入した女性: 「専門店で買った方がいいもの買えることが多いので、とてもいいと思います。(この包丁で何を切る?)主人!(笑)違う違う、子どもたちとか家族のご飯を作るのによく切れたらおいしいはず」
早速、「研ぎ直し」の依頼も。 吉沢刃物・吉沢正彦さん: 「これ今まで自分で研いでた?」 魚をさばくのが趣味の男性: 「そうです」