「なんでもあるけど、欲しいものがないなあ」…。大阪「梅田ロフト」の閉店・縮小移転に見る雑貨店の栄枯盛衰
大阪・梅田にある「ロフト」が現在の店舗での営業終了を発表し、話題になった。とはいえ、完全に店舗がなくなるわけではなく、梅田内での店舗移転なので、ある意味では「リニューアル」という形である。 【画像11枚】閉店・縮小移転の梅田ロフトの、やや閑散とした店内 梅田はロフトの旗艦店の1つ。だからこのニュースだけ見ると、ロフト自体の経営がマズいのか? と思ってしまうかもしれない。しかし、近年の決算を見ると、その業績は回復している。コロナ禍で業績が大きく落ち込み、2021年決算では22億円の純利益の損失を計上していたが、2024年決算では24億円にまで純利益が回復している。ロフトの競合他社にハンズ(旧東急ハンズ)があるが、ハンズがホームセンター大手のカインズに買収されたことに比べると、「粘っている」のは間違いない。
筆者はこのニュースを聞いて、さっそく梅田ロフトに足を運んでみた。そこで感じたのは、現在の「雑貨屋業態」が置かれている状況だ。競合他社だったハンズの事例も踏まえつつ、梅田ロフトから現在の雑貨屋を巡る状況について考えてみたい。 ■「生鮮食料品以外何でもある」梅田ロフト 梅田ロフトは大阪駅・梅田駅から歩いて数分のところにある(ただ、降り口を間違えるとえらい遠くなる)。 【画像11枚】閉店・縮小移転の梅田ロフト。さまざまな商品を置いているが、客数はやや少ない印象の店内
茶屋町と呼ばれるエリアに建っていて、隣には関西を代表する放送局・MBSの社屋。これもでかいが、梅田ロフトもでかい。全部で8階建てで、中には「生鮮食料品以外のすべてがある」と言っても過言ではない。 中に入ってみよう。ロフトの魅力はなんといっても、その商品の多様さ。お風呂周りのグッズやバッグなどの旅行用品、カードゲーム、さらにはロフトが近年力を入れている化粧品など、揃わないものはないといっていい。私自身久々にロフトを訪れたのだが、「こんなに色々売ってたんだ……」と驚くほどであった。