芸術の秋に育む文化の心 安曇野市内各地で文化祭、展示会
長野県安曇野市内では「芸術の秋」を感じさせる文化祭や展示会が各地で行われている。日頃の文化・芸術活動の成果を伝える作品が会場に並び、来場者の目を楽しませている。 穂高の穂高会館では25日、穂高文化祭が始まった。主に穂高地域で活動する団体や個人の作品を集めた「総合美術展」と、ダンスや音楽などのステージを繰り広げる「芸能まつり」が多彩に行われている。27日まで。総合美術展には348作品が並ぶ。小学生による水彩画やユニークな形の貯金箱からは純真さが伝わり、わらかごサークルによるかごやバッグは素朴で温かな魅力に包まれている。ヒョウタンに透かし彫りを施したランプシェードやゴーヤーの押し花作品なども見応えがある。穂高商業高校の3年生8人が運営に協力している。 主催する穂高文化協会の佐伯治海会長は開場式で「文化は心。展示する皆さんも鑑賞する皆さんも、心を一つにしてほしい」と思いを語った。穂高公民館の早川正美館長は「薫り高い穂高の文化を発信できれば」と多くの来場に期待した。総合美術展は午前9時~午後5時(最終日は3時)、芸能まつりは午前9時半(最終日は9時)~正午。 安曇野市三郷温のかんてんぱぱショップ安曇野店ギャラリーでは25日、穂高の永島日本刺しゅう教室(永島惠子さん主宰)の作品展が始まった。永島さんと生徒の計14人による着物の帯や数寄屋袋など、約50点を展示している。27日まで。 展示は2年ぶり。着物の「付け下げ」にイチョウの葉の刺しゅうを施した作品は穂高天蚕糸も使い、優雅で秋らしい雰囲気に仕上がっている。カキツバタやキクの花びらに天蚕糸をあしらった数寄屋袋も趣がある。どの作品も色や模様の選び方に個性がにじむ。専用の台で日本刺しゅうの体験もできる。永島さんは「一生刺してもこれで終わりということはない。奥深く、難しいからこそ飽きない」と語る。入場無料。開場は午前10時~午後4時(最終日は3時)。
市民タイムス