「最後までジャイアンをやりきったんですね」 木村 昴が大先輩の声優から学んだことは
新しいキャラクターには新しい声で挑戦したい
木村はこれまで『ハイキュー!!』、『遊☆戯☆王』、『ジョジョの奇妙な冒険』と大人気のアニメ作品の声優を数多く務めてきた。吉岡はどのようにして声を演じ分けているのか気になるようだ。 吉岡:有名声優さんって(役が増えていくと)声の演じ分けとかが、いよいよ難しくなってきませんか? 木村:ありますね。僕の感覚だと、声優さんって2種類に分けられると思うんですよ。片方は七色の声と言いますか、とにかくいろんな声が出せるタイプ。もう一方は1つの声なんだけど、その声が重宝されるタイプ。僕は声優デビューしてからずっと憧れているのは、やっぱり七色の声といいますか、エンドロールを見るまで昴だとわからなかったと言われたい。なので、日頃からいろんな声を出したいなって思っているんですけど、やっぱり演じられる幅は決まっているんですよ。 木村は新しい役に挑戦する際、かつて演じたキャラクターたちの声の特徴を頭のなかで調整するという。 木村:頭のなかで毎回グラフみたいなのを作っていて。「今回はジャイアンほどじゃないけど、東堂葵(『呪術廻戦』のキャラクター)寄りかな」みたいに考えるんです。 吉岡:そういう感じなんですね! 木村:「今回はこのへんかな」とイメージしてやっています。今年は声優デビューして20年なんですけど、自分は何役やってきたんだろうと調べたんですね。そうしたら、今まで290キャラクターやってきたんですよ。すごくない? 自分で言うのもなんだけど(笑)。 吉岡:すごいです(笑)! ビックリしました。 木村:このキャラとこのキャラは一緒じゃん、みたいなのは(聴いている人の側からすると)あるかもなんだけど、自分のなかでは毎回声を変えたいなと思ってる。仮に、同じ声になっちゃったとしても、喋り方とか語尾の雰囲気、テンションとかで差をつけたいなと思っているんですよ。 吉岡:こういうお話ってなかなか聞けないんですよねえ。 木村:すっごく今、声優っぽい話をした。レアよ(笑)? 吉岡:めっちゃレア! 昴さんがふざけてない(笑)。 木村:柄じゃないから恥ずかしいのよ(笑)。 吉岡:昴さんは気さくで、すごく場を盛り上げてくださるし、みんなが楽しくなるようにっていうサービス精神があるじゃないですか。でも、根っこのところがすごく誠実で真面目な方なのかなって、何となく感じたんですよね。 木村:バレていましたか(笑)。 吉岡:こういうお話が聞けて嬉しいです。