約4万件の離婚相談を受けてきた”敏腕カウンセラー”が教える、《夫婦間のトラブル》を回避するための《万能コミュニケーション術》
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【マンガ】「しすぎたらバカになるぞ…」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性が絶句 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第9回 『いま「熟年離婚」が急増中…全夫婦が絶対に知っておくべき「配偶者のイライラする行動」への対処法』より続く
重要なのは「伝え方」
長らく夫婦をやっていると、どうしても「カチンとくる」ことはあります。 それを避けることは難しいため、「カチン」ときても、ある程度やり過ごしたり、お互いに妥協するようにしないと、夫婦関係を続けることは難しいでしょう。 そのためにもっとも重要なのは、「コミュニケーション」、要は「伝え方」だと思います。 第1回記事で紹介した「15分に一度ジュースを飲む」ケースで再度、考えてみましょう。 夫は、自分の気持ちを妻に察してほしいと思っていました。少なくとも私にはそのように見えます。 日本は「察し」の文化で、同調圧力が強い社会なので、この夫と同じように思う人も多いと思います。
気持ちを察してくれる人なんていない
でも、実際に気持ちを察してくれる人なんてまずいません。夫婦や家族、親友であっても、自分から積極的に伝えなければ、察してくれることはありません。 もちろん、長いつき合いなら、ある程度は「あうんの呼吸」もあるでしょうが、それは例外だと思ったほうがいいでしょう。 だから夫は、「15分に一度ジュースを飲みに来る」ことで察してもらおうとするのではなく、妻に対して「いま会社でつらい目にあっている、その悩みを聞いてほしい」と、きちんと伝えればよかったと思います。 夫はもしかしたら「40代にもなって悩んでいるのが格好悪い」と思っているかもしれません。あるいは「仕事の苦労話を打ち明けても、どうせ妻は自分がしっかりすればいいとか、文句を言うばかりで、悩みを聞いてはくれない」と決めつけている可能性もあります。 それでも、妻に話すことから逃げていては、何も解決しないでしょう。それどころかトラブルが余計エスカレートしてしまいます。 事実、「15分に一度ジュースを飲みに来る」ことで察してもらおうとした夫は、結局、妻に離婚を切り出すことになってしまいました。