「これは最強かも」現代バスケならどう? 『SLAM DUNK』の「神奈川ドリームチーム」を考えてみた
井上雄彦氏による伝説的なバスケットボール漫画『SLAM DUNK』の魅力は、個性豊かなプレイヤーたちにあるだろう。なかでも、主人公・桜木花道がいる湘北高校がインターハイ県予選で戦った神奈川の舞台には、非常に魅力的な選手たちが溢れていた。 ■【画像】なんて爽やか…井上雄彦氏が描いた「三井寿のイラスト」■ そこで今回は、高まる3Pシュートの重要性、各ポジション従来以上に求められるプレーの幅など現代バスケのトレンドを意識しながら、『SLAM DUNK』の「神奈川ドリームチーム」を考えてみたい。
■PG三井、SG神で殺傷力の高い3Pコンビを結成
まず、今回の神奈川ドリームチームでは、湘北高校のSGである三井寿をPGに据えたい。奇策に思われるかもしれないが、原作漫画が連載されていた90年代よりも、現代バスケでは圧倒的に3Pの重要性が高まっている。ぜひアウトサイドから打てるPGが欲しいところだ。 神奈川のPGには、海南大附属の牧紳一や翔陽高校の藤真健司、そして湘北・宮城リョータと素晴らしい人材が揃っているが、彼らに共通するのは3Pを決める描写がないことだ。宮城に至ってはミドルからのシュートがないことを、自らの弱点としていた。 コミックス8巻、三井が湘北に入部した際「ポジションはどこでもやれます!!」と言っていた。新入部員としてのただのアピールだったかもしれないが、“あきらめの悪い男”三井はPGとしてもきっと大仕事をしてくれるだろう。 そしてSGには神奈川県予選平均得点30.3点の海南・神宗一郎を起用し、三井と神で殺傷能力の高い3Pコンビを誕生させたい。この2人なら(現在は解消されてしまったが)ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンがゴールデンステイト・ウォリアーズで魅せた“スプラッシュブラザーズ”さながらの3P攻撃が期待できそうだ。
■流川をPFにコンバート、SF仙道と暴れまわる
SFには、原作ではPGまでこなしていた神奈川で最もオールラウンダーな陵南高校の仙道彰を抜擢したい。湘北の流川楓には一応PFにコンバートしてもらうことになるが、この2人であれば、その状況次第で柔軟なポジショニングをとってもらえるだろう。ぜひとも相手のスイッチディフェンスを崩壊させてほしいところだ。 加えて、このチームでは三井と神の3Pを警戒した相手ディフェンダーを外に釣り出すことができるだろう。広く空いた中のスペースを、仙道と流川で縦横無尽に暴れまわってもらいたい。 コンバートで気になるのは流川のインサイドの適正だが、陵南との練習試合の際に流川は自分にパスを出さない桜木に対して「いらねーよ 自分でとる」と、見事なスクリーンアウトでポジションをキープし、力強いリバウンドを桜木に見せつけていた。このことを踏まえると、流川はインサイドのプレイもまったく問題ないだろうと思う。