旧成田エクスプレス「ナゾの豪華個室」がサイコー!しかも格安!? “車内放送の主”と同乗して裏話いろいろ聞いた
実は「廃線」のアナウンスも収録済み!?
このとき録音したのは権堂や須坂といった特急停車駅だけではなく「臨時停車などにも対応できるように全ての駅名を言いました」とか。 それも長野線だけではなく、2012年に廃止された屋代線(須坂~屋代)も「乗り入れる時のために全駅録音しました」とか。実際、屋代線が廃止される前にスノーモンキーの【団体臨時】列車が乗り入れ、山崎さんの声が車内に流れました。 収録時に留意したのは「信濃竹原といった一部の駅を読み上げる際のイントネーションを確認することでした」と打ち明けます。「平板読みでお願いします」という指示通りに話したところ「NGは全くなかった」のはさすがです。
そもそも「別の空港特急」だったかも
山崎さんはスノーモンキーが長野電鉄に移籍すると知った時には「驚きましたよ。だってまさか空港特急が来るとは思わなかったから」と話します。しかし、地元関係者によると、長電は特急などに使っていた2000系電車を置き換える候補として、成田空港と結ぶ別の特急用車両も検討していました。 それは京成電鉄の特急「スカイライナー」の2代目車両AE100形です。ただし、京成の線路幅が1435mmで長電の1067mmとは異なるため、台車を履き替える必要があります。 結果として白羽の矢が立ったのが253系と、運転席を2階に設けて前面展望を楽しめるようにした小田急電鉄のロマンスカー「HiSE」10000形でした。HiSE は4両編成に改造して特急「ゆけむり」1000系として2006年から運用されており、こちらの自動車内放送も山崎さんの声が案内してくれます。 須坂駅に到着する手前で、山崎さんから「右側でカメラを構えて!」と指示されました。そこには営団(現・東京メトロ)日比谷線の初代車両で、丸みを帯びた先頭車の形から「マッコウクジラ」の愛称で親しまれた3000系(長電3500・3600系)が止まっていました。 3500・3600系は2023年1月までに全て引退しており、山崎さんは「2000系などもそうでしたが、あの場所に置かれた車両は、その後解体されています」としんみりと語りました。