金沢発最終のサンダーバードに乗ったら…粋な車内アナウンスに涙腺がゆるんだ 北陸新幹線延伸開業に伴い、金沢―敦賀間から姿を消した在来線特急
大阪駅に降り立ち、乗車したサンダーバード号の回送を見送った。ここでも鉄道ファンが撮影しており、見送りの後はどこからともなく拍手が湧いた。 ▽取材後記 最終サンダーバードに乗ってみて、思い残しはおおよそなくなった。実は、筆者が乗った50号より、大阪発金沢行き最終の49号のほうが人気だったという。それは「金沢」という行き先がなくなるからだろうが、個人的にはお世話になった列車と北陸本線に別れを告げる意味で、金沢発の特急に乗れてよかったと感じる。 この先、金沢に向かおうとすると敦賀乗り換えは必須だ。標準乗り換え時間は8分。1階ホームから3階ホームまで移動する「不便さ」も指摘される。解消には北陸新幹線が大阪まで全線開業するしかないわけだが、京都府内を「大深度地下」で通り抜ける計画に反対する声は根強く、延伸には暗雲が立ちこめる。ラストランでビールをくれた乗客が「俺が生きているうちに、全線開通はしないだろうな」と、ぼそり呟いていたことも印象深い。
古くから鯖街道などで知られるように、福井と関西は結びつきが強かった。両地域のさらなる交流活性化のため、一刻も早く全線開業してほしいと願う。