日本生命、海外運用会社の買収などさらに検討-6000億円の最大案件後
(ブルームバーグ): 日本生命保険の木村稔常務は17日、海外事業について、「長期的に大きくしていかないといけない」と述べ、企業の合併・買収(M&A)の検討も選択肢とした拡大に意欲を示した。
日本生命は16日、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下の米生保コアブリッジ・ファイナンシャルに約6000億円を投じて持ち分法適用会社にすると発表。これを受け、木村常務は翌17日に開いた記者会見で述べた。
木村常務は、海外事業拡大のための選択肢となる今後の出資・買収先として、「生保とアセットマネジメントはやはり重要な両輪、常にアセットマネジメントもウオッチしている」と言及した。
また、コアブリッジへの出資の経緯を「特に北米におけるプレゼンスは、まだまだ足りていなかった」と説明。追加出資の可能性については「マジョリティーを取っていくのは一つの大事な論点・要素だが、過去の経験や失敗も含めいろいろな段階を踏みながらやっていく」と述べた。
日本生命はコアブリッジ株を1株当たり31.47ドルで取得する。プレミアム(上乗せ幅)は15日終値に対して4.3%。今回の出資により、日本生命のグループ基礎利益は年間900億円押し上げられ、同社の海外事業比率は直近の4%から15%に上昇する。
人口減少から国内保険市場が厳しさを増す中、日本生命は国内事業の多角化に加え、海外事業の強化を進めている。今回の出資は同社のM&A案件として国内外を含め過去最大規模。清水博社長は3月、米国などの生保や資産運用会社への大型投資で規模拡大を目指す考えを示していた。
コアブリッジは米国で、個人・団体年金や生命保険事業などを展開する。特に個人年金市場に強みを持つ同社への出資を通じ、日本生命は米生保市場で事業基盤を拡大していく方針だ。
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Nao Sano, Taiga Uranaka