しょうゆにワサビを溶かすのはマナー違反? いまさら聞けない刺身のスマートな食べ方とは
年末年始に人が集まって飲食する場が多くなると、食べる機会が増える刺身。日本を代表する料理のひとつですが、意外に食べ方が自己流になっていることもあるかもしれません。刺身の食べ方にマナー違反はあるのでしょうか。いまさら聞けない刺身の“正しい”食べ方について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。 【画像】好きな食べ物ランキング ぶっちぎりの1位とは? ステーキは5位、ラーメンは4位 ◇ ◇ ◇
しょうゆにワサビを溶かす? 溶かさない?
刺身をワサビと一緒に食べるのは、先人の知恵。ワサビ特有の成分が魚の風味を良くするのと同時に、食中毒の原因菌に対する抗菌効果があるためです。 そのワサビをしょうゆに溶かして刺身を食べるのがマナー違反とされるのは、見た目や味わいに理由があるといえます。しょうゆの紫色とワサビの緑色が混ざり見た目が良くないこと、しょうゆ皿が汚れてしまうこと、ワサビの香りや風味が失われることなどが挙げられます。 そのため、刺身にワサビを少量直接のせて、しょうゆをつけて食べると良いといわれています。ただし、ワサビの刺激が苦手な人は、しょうゆで溶くことでマイルドになり、食べやすくなるので、必ずしものせて食べなくてはいけないとは言い切れません。 見た目を美しく食べる必要がある場や、ワサビの刺激や香りを感じたい場合は、ワサビは刺身に直接のせて、しょうゆにつけて食べるほうが良いでしょう。
しょうゆ皿は持ち上げる? 持ち上げない?
ワサビをしょうゆに溶かすことよりも気をつけたいのは、しょうゆ皿の使い方です。和食のマナーにおいて、手のひらサイズの小皿は手に持って、口元まで近づけて食事するのが基本とされています。 刺身をしょうゆにつけて食べるとき、しょうゆが垂れないように、箸でつまんだ刺身の下に手のひらを上にして手を添えてしまうことがあるかもしれません。これは「手皿」といってマナー違反になります。手皿をするのではなく、しょうゆ皿を手に持って口元に近づけるのが正しい食べ方です。
刺身の盛り合わせ 食べる順番はある? ない?
好きなものから食べてかまいませんが、刺身の味をしっかりと楽しみたいのであれば、淡泊な味のものから食べ始めて、濃厚な味のものへ進んでいくのが基本です。たとえば、ヒラメやタイなどの白身魚から始め、貝類、マグロの赤身、脂がのったサーモンやトロ、最後にウニやイクラといった個性的な味わいのものを楽しむと良いでしょう。 刺身は美しい盛りつけが特徴です。見た目の美しさを崩さないために、大皿なら手前から取っていくと、きれいに食べられます。1人前ごと皿に盛りつけられている場合は、左側から白身魚、貝、赤身魚と盛りつけられているはずです。左手前から箸をつけるとスマートですよ。
刺身を箸で切っても良い? NG?
刺身が大きく、ひとくちで食べられない場合があるかもしれません。その際、取り分けた皿の上で、箸でそっと切り分けることが許容されています。ただし、箸を両手で持って切るのはNGです。大きい刺身は箸で丸めて持つなどして、できるだけひとくちで食べるようにしましょう。 大皿に盛りつけられた刺身を食べる際は、自分の箸ではなく取り箸を使うのが基本です。取り箸がない場合は、お店であれば声をかけて用意してもらいましょう。自分の箸をひっくり返して、反対側で取り分ける行為は望ましくありません。家でも、お正月で祝い箸を使っている場合は「逆さ箸」になり、マナー違反です。
Hint-Pot編集部