株で負ける人は気づけない…「投資」のつもりが「バクチ」になってしまうワケ【経済評論家が助言】
「企業の生み出す価値」の分け前にあずかるのが、長期投資
企業は株主と銀行から資金を調達し、労働者を雇い、材料を仕入れて製品を作って売ります。売値と仕入値の差は「付加価値」と呼ばれ、労働者への賃金、銀行への利子支払い、株主への配当支払いというかたちで分配されます。残った部分は「内部留保」になりますが、これも株主のものですから、株価を押し上げる力として働きます。 長期投資はこのように「企業が生み出す価値」を「配当」や「内部留保増」による値上がり益というかたちで得ようとする行為です。その際には、真実を追求することが重要です。「この会社は10年後も利益を稼いでいるだろうか?」ということが最も重要です。日本株投信であれば「日本企業は~」ですし、「日本経済は順調だろうか」ですね。 投資家たちが当該企業をどう見ているかは重要ではありません。投資家たちの見方は変化するからです。むしろ、10年後もしっかり稼いでいそうな企業に対して投資家たちが冷たい目で見ているとしたら、株価が割安に放置されている可能性が高いので、「いま買って10年持っていれば儲かりそうだ」と考えましょう。 ちなみに、長期投資でバクチをすることも可能です。筆者は賭け事が好きなのですが、短期投資で「ルーレットの予想をする」のは気が進まないので、長期投資でのバクチをしています。具体的には「株価が10倍になるか0になるかわからない」という新興ハイテク株を買うのです。 長期投資ですから、バクチであっても真実を追求することが重要です。「この会社は10年後には立派に成長しているだろうか? 倒産しているだろうか?」ということを考えるのです。ほかの投資家がこの会社をどう見ているかは、重要ではありませんから。 本稿は以上ですが、投資判断等は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があります。 塚崎 公義 経済評論家
塚崎 公義