防災のアイデア学ぶ 静岡、愛知を訪問 簡易住宅の開発動機知る ふくしま復興大使のチーム「菜根藩」
福島民報社の「ふくしま復興大使」に選ばれた福島県郡山市の薫小6年の谷川陽生(はるき)さん(12)、今井優登(ゆうと)さん(11)、佐藤豪太(ごうた)さん(11)の3人で構成するチーム「菜根藩」は静岡、愛知両県を訪ね、災害から身を守るための知恵やアイデアを学んだ。 静岡市では静岡県地震防災センターを視察した。施設のインストラクターの杉原満さん、地震防災アドバイザーの遠山忠昭さんから説明を受けた。災害時に必要な備蓄品、命を守るための行動、津波が発生する仕組みなどに理解を深めた。装置に乗って震度6弱の揺れも体験した。 名古屋市の名古屋工業大では、建築設計などに詳しい北川啓介教授を訪ね、段ボールやウレタンなどでつくる簡易住宅「インスタントハウス」について聞いた。北川教授が簡易住宅を開発したのは東日本大震災の後で、宮城県石巻市の避難所で小学生から「建築の先生ならすぐに家をつくってほしい」と頼まれたのがきっかけだった。北川教授は3人を前に、「胸が熱くなった。あの時の宿題に答えている気持ち」と明かした。
愛知県豊田市ではボードゲーム愛好家でつくる「フダコマ広場」のメンバーと交流した。壁谷幸昌会長や山田成江さんから説明を受け、メンバーが開発した防災ゲームを楽しんだ。台風や火災の発生を想定し、仲間と協力しながら生存を目指すゲーム。「災害の恐ろしさや必要な備えなど、今回学んだことを広く伝えていきたい」との思いを強くした。 3人は第5回小中学生まちづくり大賞(ふくしまジュニアチャレンジ)アイデア部門でグランプリに輝いた。