中日・春の珍事か? 実力の証明か? 今年は違うぞドラゴンズ!
各球団との対戦がひと回りした14試合を終えて、8勝4敗2分けで首位に立っている。まだシーズンは始まったばかりというのは百も承知だが、スタートダッシュの成功は大きな期待を抱かせる。立浪和義監督の3年目。今年のドラゴンズは明らかに違う。 写真=牛島寿人、BBM ※記録は4月15日現在 【選手データ】田中幹也 プロフィール・通算成績・試合速報
投手陣の踏ん張り
オープン戦は10勝5敗5分けの成績でソフトバンクとともに“優勝”。しかしヤクルトとの開幕カード(神宮)は2敗1分けと勝利をつかめなかった。「やっぱり今年も……」という声もささやかれる中、快進撃は本拠地・バンテリンに戻ってから始まった。4月2日の巨人戦で細川成也が延長11回にサヨナラ弾。同カードを2勝1敗で勝ち越すと、乗り込んだ広島では3試合連続完封の3連勝。さらに横浜に移動し、立浪政権下では天敵となっているDeNAに対して2連勝。昨年は苦しんだビジターでの5連勝はファンの留飲を下げたに違いない。再び本拠地に戻った阪神戦は1勝1敗1分け。昨年の日本一を相手に互角の戦いを演じた。「自分たちの野球がしっかりできている」と立浪和義監督の笑顔も明るい。戦力の充実、その手応えを感じているのだろう。
好調の要因はどこにあるのか。まずは何と言っても投手陣だ。チーム防御率1.84はリーグトップ。4月5日の広島戦(マツダ広島)から始まった6連勝(1分けを挟む)はすべて先発に勝利がついた。初の開幕投手を務めた柳裕也は3試合を投げて1勝ながら防御率0.47。昨年3勝のメヒアが早くも2勝をマーク。カードの頭に投げる小笠原慎之介、ベテランの涌井秀章にも安定感があり、試合を優位に進めることができている。昨年までは打線の“無援護”に泣く試合が多かったものの、ここまで14試合中10試合で先制点をつかんでいる。
リリーフ陣も頼もしい。抑えのマルティネスは8試合に登板して2ホールド5セーブ。もちろん無失点。リリーフ陣は勝野昌慶、齋藤綱記を軸に勝ちパターンを形成し、先発陣に負けない奮投を続けている。開幕カードで打たれた松山晋也も復調。14試合中、2失点以下が11試合の要因は与四球の少なさ。昨年はチーム防御率がリーグ2位も与四球はワースト。そこが大きく改善され、23は現時点でリーグ最少。この数字は今後も投手陣の大きなカギを握りそうだ。