標高550mの里山歩きで雄大な富士を拝む! 八番山頂「お伊勢山」で五福参りハイク
秀麗富嶽十二景中で、もっとも標高の低い550mというお伊勢山。国道20号北側に広がる真木集落の、いわば里山の山頂は驚きの秀麗富嶽の眺望を誇っています。もっとも低い登山口からでも標高差100mにはるかに及ばないハイキングコースは、五福参りの寺社めぐりで知られています。日頃の登山安全祈願から家内安全、受験合格など自身+大切な人への思いを巡らす旅でもあります。 【写真】お散歩感覚でハイクできるお伊勢山の五福参りを見る(全11枚)
里山から見える富士山のイメージを大きく変える大眺望
その山頂からの秀麗富嶽は、その他19座の山頂からの眺望に引けを取らない美しさ。しかも美しさに見惚れるばかりでなく、目に飛び込んでくる大きさにも圧倒されます。まさにV字ネックと言っていい山肌に挟まれた谷合に現れる富士山の圧力たるや、その山頂の標高が1000mにみたいないどころか、わずか550mとは思えないものです。 秀麗富嶽十二景の山々のいずれにも言えることですが、蒼天に聳える壮大なシルエットだったり、特徴的な山頂部だけにフォーカスするような森林や前山などの自然が作り上げるフレームの素敵ないたずらで、富士山眺望のバリエーションの豊富さを気付かせてくれます。お伊勢山からの富士山の眺望は、その最たるものかもしれません。 山頂には秀麗富嶽十二景を撮り続けた写真家・白旗史朗さんの顕彰碑が置かれています。お伊勢山から見る富士山の美しさを切り取るにふさわしい聖地でもあります。朝焼け、夕焼けの日がな一日だったり、春には紅梅、桜、ツツジの花を添え、秋には錦秋をまとい、白銀に覆われた富士山を映し出す里として写真愛好家に知られています。
桜の季節には薄桃色に染まる山肌と富士山のコラボ
さて、お伊勢山のもうひとつのアミューズメントである五福めぐりですが、お伊勢山山中に天照皇大神奉納の大神社、愛宕神社、天満宮、根神大権現の四社が祭祀され、少し離れた北に建つ福正寺と合わせて五福参りとして大願成就を願って多くのハイカーが訪れます。五福参りの順番は、確たるものでもないようですが、ここでは南側から参内するスタンダードルートで巡ります。 大月駅からハマイバ行きバスで辻バス停で下車。五福参りの順路案内表示に従ってまずは根神神社に参内します。根神神社は家内円満を司ります。ここからの登りは春のお伊勢山最大の醍醐味を提供してくれます。目の前に広がる3000本の桜が一斉に開花する様は見応えあるもので、富士山とセットのインスタショットは、ぜひ抑えたいですよね。 坂上には学問の神様・天満宮。そのままルートは北に向かって五穀豊穣、商売繁盛を祈願する真木大神社と続き、四社最後の愛宕神社に行き当たります。愛宕神社は災害、治安、平和を祈ります。山行の安全も是非にお祈りしておきたいですね。ここで一度お伊勢山を下って福正寺へ。親鸞聖人ゆかりの名刹です。参道入口には故樹木希林さんの書が飾られています。お伊勢山と五福参りのハイキング旅は登山愛好家の方にはオススメしておきます。
ソトラバ編集部