早く着きたいから特急料金を払って特急に乗ったのに「遅れます」とアナウンスがありました。特急列車が遅れた場合は、払い戻しできるのでしょうか?
目的の駅に早く着きたいときには、乗車料金にプラスして特急料金などを払い、特急列車などを利用することがあると思います。ところが、特急列車にすでに乗車している時に「遅れる」という情報を得ることがあります。 ▼新幹線で1人で「2席分」の購入はNGなの? 規則を確認 目的地に着くことができれば、乗車料金の支払いについてはよしとしても、「早く」目的の駅に着くことができなければ、たとえ特急列車に乗っていたとしても、特急料金の支払いには納得ができないかもしれません。何か対処法はないのでしょうか? (本稿にて目的の駅まで「早く着くことができなかった」には、「乗客の乗り遅れ」等の事情は含みません)
そもそも特急列車とは?
ここではまず、「乗車料金とは別に特急料金を払う特急列車」の付加価値について確認しておきましょう。 冒頭に述べたように、まず特急列車の付加価値には目的の駅まで「早く着く」というのがあります。停車する駅も少なく、またスピードも速いのが一般的ではないでしょうか。しかし、停車する駅が少なく、また速く走るからこそ「目的の駅に早く着く」列車の中には、特急料金が「不要」という列車もあります。 「特急料金を払う特急列車」の付加価値は目的の駅まで「早く着く」だけではありません。「乗り心地が良い車両」を用いているというのも付加価値の1つだといえるでしょう。例えば、JR東日本の新幹線、小田急電鉄のロマンスカーなどです。 つまり特急列車の付加価値は「目的の駅まで早く着く」ことと、「乗り心地が良い車両を用いている」ことの2点だといえます。これらの付加価値に対して支払うのが、乗車料金にプラスして払う「特急料金」だといえます。
目的の駅まで「早く」着かないということについての定義は各社で異なる?
ここで冒頭に述べた、「早く」目的の駅に着くことができなければ、特急料金の支払いには納得ができない、という点についてです。「目的の駅まで早く着く」という付加価値が失われる、つまり「特急列車が遅れる」のはどのようなときなのでしょうか? 以下、首都圏で営業する鉄道各社の、各社ごとの「特急料金を払う特急列車」の「遅れる」の定義です。各社の社名の後は、各社のサイト等の文言をそのまま引用しています。 JR東日本:特急・急行列車が、到着時刻より2時間以上遅れた場合 小田急電鉄:特急列車が到着時刻または出発時刻に1時間以上(JR御殿場線連絡にかかるものにあっては2時間以上)遅れた場合 京成電鉄:ライナーが所定の到着時刻より1時間以上遅れた場合は、ライナー料金を全額払い戻しいたします。 西武鉄道:特急電車が1時間以上遅れた場合は特急料金を全額払い戻しいたします。 東武鉄道:特急列車につきましては、到着予定時刻より2時間以上遅れた場合は、特急料金を全額お返しいたします。 京王電鉄:下りは府中駅または京王永山駅、上りは新宿駅への到着が90分以上遅れる場合や、座席指定サービスを打ち切る場合および、運休した場合と同様に手数料なしで払い戻しいたします。 京浜急行電鉄:(1)モーニング・ウィング号:品川駅までの間に混乗となった場合または、品川駅到着時刻に60分以上遅延した場合。(2)ウィング号:上大岡駅までの間に混乗となった場合または、上大岡駅到着時刻60分以上遅延した場合。 以上、首都圏で「特急料金を払う特急列車」が「遅れる」の定義です。遅延時間が90分という会社もありますが、1時間が多数派の一方、JR東日本と東武鉄道は2時間です。