日本の海底炭鉱で水没した136人の朝鮮人の魂称えるには=韓国(2)
その後埋まっていたごみの山をすべて掘りおこすと高さ1.6メートル、幅2.2メートルの木製の枠組みが姿を表わした。坑道入口の枠組みだった。10歳の時に長生炭鉱で働いたチョン・ソクホさん(92)がこれを見ると「坑道だ」と叫ぶほど現場はしっかり保存されていた。専門家らによると、海底坑道に使われた松の木は腐食などに強く数十年水中にあって腐食しにくい。 井上代表は「もう日本政府が協力するだろう」と大きく膨らむ期待感を隠さなかった。これまで遺骨発掘を要請するたびに日本政府は「坑道の入口や遺骨の位置がわからない」という口実で協力しなかったが、坑道入口を発見した以上要請を聞き入れないだろうかという希望だった。 10月30日には海底坑道に対する水中調査も進めた。専門潜水士が坑道入口から2個の換気口の中間部分である200メートル地点まで前進した。潜水士は「坑道内側まで200メートルはさらに入って行けそうだ。保存状態が良好で遺骨発掘作業も可能だろう」という意見を団体に明らかにしたという。 だが団体の期待とは違い日本政府は長生炭鉱発掘に関心を見せずにいる。福岡資麿厚生労働相は5日の記者会見で、「安全性が確認できておらず現時点では実地調査は考えていない」と話した。 現在は日本政界で少数野党である社会民主党程度がこの問題に関心を見せている。井上代表は社民党の福島瑞穂党首と社民党所属の大椿裕子参院議員とともに先月31日に記者会見を行い日本政府に水没事故の真相究明と遺骨発掘を促した。 これまで同団体はクラウドファンディングを通じて日本と韓国の市民が後援した1200万円で発掘調査を進めた。海底炭鉱探査と遺骨発掘に支援の意向を明らかにした韓国人潜水士もいる。海軍特殊戦戦団(UDT)出身の水中探査専門家であるイ・ウォンヨンさんは「真相究明と犠牲者の遺骨発掘に役立ちたい」と話した。 団体は本格的な遺骨発掘作業を来年1月31日から4日間再開する予定だ。井上代表は「次の作業時は遺骨ひとつでも必ず持って出たい」という覚悟を明らかにした。遺骨回収に成功すれば日本政府に真相究明と発掘作業を促すのに大きな動力になるだろうという期待のためだ。 来年が「韓日国交正常化60周年」であるだけに韓国政府の関心が重要だという意見も出ている。福島党首は「日本政府に要請するばかりでは100年間何も起きないだろう」としながら両国市民の関心と韓国政府の参加を呼び掛けた。