プロはどう見る。スーパー高校1年生の 清宮は本当に怪物なのか?
早実の1年生、清宮幸太郎内野手(16歳)の怪物ぶりが話題になっている。22日の八王子戦に「3番・一塁」でスタメン出場した清宮は、「3の1」、2死球でチームのベスト4進出へ貢献した。父はラグビーの元全日本のFWで、現在はヤマハ発動機の監督を務めている清宮克幸氏。そのDNAを引き継ぎ、1メートル84、97キロの肉体は、とても高校1年には見えない。ここまで4試合すべてでヒットを放ち、16打数9安打7打点で打率は.563。早くもネットの裏を陣取るプロのスカウトが、「3年後が怖い。とんでもない素材を持った化け物」と評しているが、実際のプロの目から見ると、そのバッティングはどうなのだろうか? 中学時代に練習を見にいくなど、清宮と接点のある阪神DCで評論家の掛布雅之氏は、「バットスイングの速さとパワーに加え、柔らかさのあるバットコントロールに、バランスのとれた肉体。16歳でしょう。すべてにおいて桁外れ。間違いなく松井秀喜、清原和博クラスでしょう。何十年に一人のとてつもない可能性を感じさせるバッターですね」と、大絶賛した。 「パワーだけでなく、変化球についていく柔らかもある。右投げ左打ちのバッターの特徴とも言えるが、右手を使えるのも素晴らしい」 22日の八王子戦では、6回一死、カウント2―2から外角低めへ変化した122キロのボール気味の変化球を右手一本で、うまく拾ってセンター前へ落とした。掛布氏は「体の大きな選手には、不足がちになる対応力もある」と、その一打に注目した。 だが、その一方で、怪物1年生と期待が大きいゆえに技術的な欠点も目につく。 「肉体のわりにスイングが小さい。特にフォロースルーが小さいね。原因はクロスしていく右足の踏み込み、ステップにある。長打を警戒する相手からは、外角、外角、変化球、変化球と攻められる。これは宿命だろうけれど、清宮君もそれに合わせて大きく外へ踏み込んでいくため、壁のようなものができてしまって、右腕を使ってバットを前へと送り出していくスペースがなくなってしまっている。打球に角度がつかずにホームランが出ていない理由は、そこ。外を攻められてもスクエアにステップしていくことを意識していけば、必然、フォローも大きくなっていくはず。まだ16歳で、とうてい技術が固まる時期ではないが、将来大きく育ってほしい選手だけでにスイングも小さくまとまってほしくはない」