踏切で「死にたい」つぶやく男性に「いったん外に出ましょう」 発見と説得、夫婦と2歳息子の救出劇
滋賀県草津市内の踏切で自殺しようとしていた60代の男性を救助し迅速に通報したとして、同市西草津1丁目の医師小林佳道さん(33)と妻の未希さん(28)にこのほど、草津署から感謝状が贈られた。救助するきっかけを作ったのは2歳の息子だった。 【写真】夫婦が男性を救助した踏切 同署によると10月9日午後6時ごろ、佳道さんは、佳陽(よしはる)ちゃんと近所にあるJR東海道線の西草津踏切で電車を眺めていた。電車好きな息子の日課となっていたが、踏切で両方向から電車が通過すると中央に男性が立ち尽くしているのが見えた。 遮断機が上がり、佳道さんは息子を抱えたまま男性に「どうしましたか」と声をかけ、「いったん外に出ましょう」と手をつかんで引っ張りながら30秒ほどで反対側に連れ出した。男性は「死にたい」と漏らしていたため、佳道さんは未希さんに電話して警察への通報を要請。未希さんは現場に駆けつけて息子を預かり、佳道さんは警察が来るまで男性の話に耳を傾けた。 3日に感謝状を贈った四谷尚佳署長は「危険を顧みず男性を説得して助け出していただいた」と行動をたたえた。佳道さんは「とりあえず外に出さないといけないと思った」と話した。未希さんは「自分たちの力だけでは対応できないと思い、とにかく警察に連絡しないといけないと思った」と振り返った。