「まずいコメの産地」から躍進! 北海道米が全国に認められるようになったワケ コメ高騰続くなか今年の収穫は?
そこから地道な品種改良が行われ「ななつぼし」や「ゆめぴりか」といった北海道を誇るブランド米が誕生しました。 しかし、北海道米の品種改良は止まることはありません。 いま「ゆめぴりか」などのブランド米に匹敵する新たなコメの品種が誕生しています。 土鍋で炊きあがった白米はつやがあり、コメの立ち具合も抜群です。 (客)「ご飯足りないかもしれない」 札幌市内の焼き肉店では、ほとんどの客が土鍋ご飯と焼き肉をほおばります。 (客)「粒立っていて見るからにきれいで、つややかですよね」 (客)「ふたを開けた瞬間(香りが)広がってきて甘みもあって、お肉とすごく合う」 いったいなんという品種なのでしょうか。
(ホルモン酒場 風土。 木谷喬料理長)「旭川にある市川農場という農場の、ゆきさやかというコメを使っています」 この店で提供していたコメは、あまり聞き馴染みのない「ゆきさやか」という品種。 これは食味試験のデータです。 ゆめぴりかと比較してみても「つや」や「粘り」はほぼ互角。 「白さ」は「ゆきさやか」の方が上回っています。
旭川市西神楽で農業を営む市川範之さんこそが「ゆきさやか」の育ての親です。 (市川農場 市川範之さん)「ゆきさやかは程よい粘りがあって、なおかつ粒の食感がしっかりしているんですよね」 10年ほど前、北海道農業研究センターから食味の良い品種があると紹介され、市川さんはその味にほれ込みました。 品種名を掲げて流通させるために、自ら農林水産省に申請。 規定をクリアした2016年、「ゆきさやか」として販売が始まりました。 (市川農場 市川範之さん)「自分が今まで栽培したなかでは本当に完成形のコメですね、ゆきさやかは」
進化する栽培技術 成長を”空からアシスト”
実は、ゆきさやかは成長が遅いという弱点を抱えています。 そのため栽培方法もひと工夫。 (市川農場 市川範之さん)「これはですね、高窒素肥料といって、普通の肥料の約3倍の窒素成分が含まれています。追肥がドローンによってできるという肥料ですね」 これは市川さんが3年前に開発した、稲の成長を促す肥料です。