「直前まで非常に悩んだ」 橋本氏、会長受諾の心境語る
東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に選ばれた橋本聖子氏は18日、記者会見し、会長職に就くにあたり「いままで東京オリンピック・パラリンピック担当、そして男女共同参画・女性活躍といった国務大臣という立場から、この東京大会を支えることで全うしたいという気持ちは強くもっており、直前まで非常に悩みました」と心境を語った。
橋本氏によると、昨日(17日)に組織委の「候補者検討委員会」から連絡があったという。「その後考えさせていただき、正式に私自身からこの東京大会の理事に推挙をしたいという検討委員会の考えに受諾させていただいた。それをもって評議会、理事会に諮っていただき、正式に理事に推挙し、会長(就任)という流れになっていくという報告をいただいた」と話した。 「多くの方から会長職にということをお話いただいた」と語った橋本氏。「大変悩んだ結果だが、国務大臣を辞職する旨をきょう午後に菅総理大臣に提出させていただいた」という。 受諾するに向け、橋本氏は「こういう状況だからこそ乗り越えていただかなければいけないものを伝えていただいた。大臣として組織委、東京都、そしてIOCをサポートする立場と、変わって組織委会長となって、東京都とそして政府と連携していくということ、立場が変わってもこの東京大会の開催に向けて前に進めていくには私自身が(会長職を)受けることというのは重要だと私自身が思い、そして決断させていただいた」と語った。
橋本新会長、選任までの経緯は?
森喜朗前会長は3日、日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」と女性蔑視ともとれる発言をして問題化。当初は発言を撤回したものの会長職は辞任しない姿勢だったが、12日に開かれた組織委の理事会と評議員会の合同懇談会で、五輪に向けて「私がいることが妨げになるということがあってはならない」と正式に辞任することを表明した。 森氏の辞任を受け、組織委は理事会メンバーで構成される「候補者検討委員会」を設置。取りまとめ役に組織委名誉会長の御手洗冨士夫氏が就いた。武藤敏郎事務総長は、「後任の会長を早急に決める必要がある。透明性の高いプロセスが不可欠」と語っていた。