「あまもっくら」として「おしぼりうどん」に欠かせない「ねずみ大根」がピンチ 松尾芭蕉にも詠まれた特産が猛暑の影響で収穫量が2年連続で半分に「全国の人に来てもらえる収量がほしい」頭を悩ます生産者
県内外に知られるねずみ大根ですが、その歴史は古く、江戸時代には俳人の松尾芭蕉が町を訪れ、おしぼりうどんを食べて詠んだとされる句が残されています。 西念寺 若麻績実豊住職: 「『身にしみて大根からし秋の風』松尾芭蕉の更科紀行に載っている句なんですよ。1688年坂城宿の本陣、宮原拾玉邸に招かれて滞在した。その時おしぼりうどんで食してこの句が詠まれたといわれています」 西念寺では芭蕉の句からおよそ80年後に建てられた本堂の向拝(こうはい)にも大根の彫刻が施されています。 寺社の建築物に使われるモチーフとしては珍しいということですが、住職は大根の里として知られるこの町で、地域の人々の幸せを願って彫られたのではないかと話します。 西念寺 若麻績実豊住職: 「この町に昔から暮らす人たちのひとつの伝統野菜として、これからも大切にしていくべきものだと思います」 この地域に根付く伝統野菜がいま、猛暑の影響にさらされています。 ねずみ大根は8月末から9月の頭にかけて種をまきますが、暑さで種が焼けてしまい、発芽しなかったり、芽が出ても、高温少雨によって発生するとされる病害虫の被害にあったり。 町によりますと収穫量は2年連続で例年の半分程度に落ち込む見込みです。 町商工農林課 田子謙介係長: 「生で販売する分も少なくなってしまいますし、町の伝統食であるおしぼりうどんの提供店飲食店にも影響は出ますし、多方面に影響が出ることは間違いないかなと」 収穫量の減少を受けて、11月9日に予定されていた、ねずみ大根まつりが中止になりました。 収穫体験と大根の詰め放題などで毎年、全国からファンが集まる人気のイベントです。 町内の直売所や飲食店の不足分を補うために、イベント用に育ててきた大根を各店舗へ分配せざるをえませんでした。 町商工農林課 田子謙介係長: 「今後も夏の暑さは続いていくと思うので、種をまく時期をどうするかだとか害虫が出始めたとするならば早期の段階でどういった薬剤を使って消毒をしていくのが有効なのか、専門家の意見を聞きながら情報をできるだけ早めに展開していく、そういったことが考えられるかなと思います」
生産者 町田泉次さん: 「そういう対応をしながらまたここに全国の人たちがここにツアーで来ていただけるような収量がほしいですよね。にぎやかになるし、町の活性化にも当然つながってきますからね」 被害を抑えるために水をこまめに与えるなどの対応策をとっている生産者。 しかし根本的な解決にはつながっていないといい、気候変動という地球規模の課題にどう向き合えばよいのか頭を悩ませています。
信越放送
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