レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ

　レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、クリスチャン・ホーナー代表についての機密情報を外部に漏洩させたという疑いがかけられており、調査の結果それが事実であると認められた場合には、停職処分を受ける可能性があるようだ。 【リザルト】F1第2戦サウジアラビアGP：予選結果 　ホーナー代表は、女性従業員に対する不適切行為があったとして、レッドブル社による調査対象となった。その調査の結果、ホーナー代表に不適切行為があったとは認められないと結論づけられ、事態は収束するものとみられた。 　しかしその後、複数の関係者やメディアに対して、ホーナー代表の不適切行為を裏付けるとする機密書類が、メールによって一斉に配信された。さらにはホーナー代表を告発した女性従業員が、理由は明らかにはされていないものの、停職処分が下されたことが分かっている。 　そして事態はさらなる展開を迎えた。レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるマルコが、メディアに情報が漏洩した件に関与している疑いがあるとして、レッドブル社の調査対象になっているというのだ。 　この調査はまだ進行中であり、マルコが実際にチームのプロトコルに違反したかどうかについては、結論が出ていない。 　この機密情報を漏洩したという疑いが事実であったと確認されれば、マルコは懲戒処分を受ける可能性がある。 　マルコはオーストリアの放送局ORFに対し、次のオーストラリアGPに帯同しない可能性があると語った。 「判断するのは難しいし、最終的に自分がどうするかは自分で決める。理論上、そういう（停職処分を受ける）可能性は常に存在する」 「とても複雑な問題だと思う。繰り返すが、私はチームが平和であることを望んでいる。今年のF1は24戦もあるため、十分に厳しい1年になるはずだ。我々はそれに集中しなければならない」 　レッドブル社はこの数週間の出来事、そして特定の情報がどう世間に流出したのかについて、さらに深い調査を始めているという。また、現在はレッドブル・パワートレインズが使うパワーユニットの開発と製造を担うホンダ（HRC）も、現在チーム内で何が起きているのか、その回答を求めているとマルコは言う。 「それは内部的な話だが、彼ら（ホンダ）は実際に何が起きたのかについて、明確な回答を求めている」 　そうマルコは語った。 「しかし最も重要なことは、我々がスポーツに立ち戻り、チームとして重要なことに集中することだ。現時点では、それがうまく機能している」 　なおマルコが停職、もしくはチームを離れることとなれば、現在のエースドライバーであるマックス・フェルスタッペンの去就にも大きく影響を及ぼす可能性がある。現在2028年までレッドブルとの契約を結んでいるフェルスタッペンだが、その契約の条項には。マルコが離脱することとなればフェルスタッペンがチームを離れることができるという記述がされているという話もある。 　マルコは次のように続ける。 「マックスは確かに、チームが手にしている最も強力な人物のひとりだ。現時点では彼よりも速いドライバーはいないし、もし彼を失うこととなれば、信じられないほどの損失となろう。エンジニアやメカニックの全員が、マックスのために信じられないほど懸命に働いているんだからね」 「マックスがチームで最も重要な人物であることは、非常に論理的で明白だと思う」 　motorsport.comでは、この件についてレッドブル社に問い合わせをしたが、回答は寄せられなかった。