日本はまだ遅れている? EV用急速充電器の最新事情【2024年版】
コネクターの数も性能も大幅に進化
私が初めて電気自動車(EV)を手に入れたのは2020年11月のこと。クルマは「フォルクスワーゲンeゴルフ プレミアム」で、走行距離7000kmの認定中古車でした。当時も今も自宅に充電設備がない私は、EVの充電はほぼ公共の急速充電スタンドを利用していますが、この3年半の環境の変化には目を見張るものがあります。 【写真】超急速の150kW出力器はこんな形! さまざまな場所に設置されたEV用急速充電器をもっと見る eゴルフに乗り始めたころは、急速充電器のほとんどが出力50kW以下のものでした。eゴルフの充電能力は50kWで、30分間の充電で追加できる量は多くて20kWhくらい。条件によっては10kWhしか充電できないこともよくありました。充電器の数も今ほど多くなく、e-Mobility Power社によれば、2021年12月末時点の数が7304口(充電器ではなくコネクターの数)でした。これに対して、2024年3月末には9103口に。数が増えたのに加えて、充電器の性能が向上したことで、一気に利便性が高まったことを実感しています。 例えば、高速道路。これまでも主なサービスエリアには急速充電器が設置されていましたが、ここ1年くらいの間に充電器の口数が増えたり、高性能化していたりするのが目立ちます。首都高速の大黒パーキングエリアや新東名の浜松サービスエリアなどで、青く輝く充電器が並んでいるのを見たことがあるでしょう。“マルチコネクター充電器”といわれるこの急速充電器は、一度に4台から6台の充電が可能です。しかも、同時に充電するEVが少ない場合は80~90kWという高出力で充電ができるというもの。私がふだん使っている「フォルクスワーゲンID.4プロ」や「ボルボEX30」といったEVなら、30分で30kWh前後の充電が可能で、走行可能距離を一気に200kmほど延ばすことができます。 新東名の浜松サービスエリアや駿河湾沼津サービスエリアには、さらに高速の150kW充電器も登場。高出力の急速充電に対応するEVならさらにたくさんの電気を追加することができるのです。