日本はまだ遅れている? EV用急速充電器の最新事情【2024年版】
街にも増える高出力充電器
一方、充電器が1基という場合でも性能がアップされている場所が多いのは見逃せません。これまで出力50kW以下だったものが、最高90kW、しかもコネクターの数が2口となり、単独なら90kW、2台同時でも45~56kWで充電できるところが増えました。 こうしたことから、休日など交通量が多いときでも充電待ちをすることが少なくなりました。以前は、「高速充電なび」というスマートフォンアプリでサービスエリアやパーキングエリアにある充電器の満空情報を常にチェックしていましたが、新東名など急速充電器が充実している路線では神経質になる必要はなく、おかげで高速道路の移動がとても楽になりました。 高速以外でも、自動車ディーラーをはじめとして90kW級の急速充電器が増えています。都内にある私の自宅近くでも、コンビニとホームセンターに90kW器が設置され、最近はその2カ所ばかり利用しています。90kWではありませんが、ガソリンスタンドに設置された急速充電器にも重宝しています。セルフ洗車後、拭き取りしながら充電できるのが便利なのです。つい忘れがちなタイヤのエアチェックができるのも助かります。 誰でも利用できる150kW器も少しずつ増えてきました。先日、取材からの帰りに立ち寄ったのが那須塩原市にある観光施設の那須千本松牧場。ここにはパワーエックス社の急速充電器があり、単独なら150kW、2台同時でも120kWの急速充電が可能です。スマホのアプリで予約ができるうえ、利用料金は時間制ではなく、充電した電気の量に応じてというのもユニーク。充電予約は30分、45分、60分から選ぶことができるので、充電中に食事や買い物がゆっくり楽しめるのもうれしい点です。 ガソリンスタンド並みとはいえませんが、設置数が増え、充電能力も高まっている急速充電スタンド。「家に充電器がないからEVはムリ」という言い訳は、そろそろ終わりにしてもいいのでは!? (文と写真=生方 聡/編集=藤沢 勝)
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