「夫のモラハラ」は「妻側にも原因」があった…夫婦仲に亀裂を生み「夫のモラハラを理由に」離婚する女性の《ある特徴》とは
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第5回 『男はつらいよ…自信満々に夫を《断罪》する"モラハラ妻”の出現で離婚急増中!その「ありえない振る舞い」 とは』より続く
「どちらかが一方的に悪い」とはならない
人間関係のトラブルで「白黒はっきりさせる」ことがいつも「正しい選択肢」とは限りません。人間関係のトラブルというものは、「どちらかが一方的に悪い」とはならないのが普通です。 車に乗る方はよくご存知でしょうが、交通事故を起こした場合、「過失割合」というものを算定します。「この事故は7対3で追突したほうが悪い」など比率を割り出して、これに基づいて具体的な補償額を決定するわけです。 この「過失割合」はよほどのことがない限り「10対0」のような一方的な数字にはなりません。「責任の大半はぶつけたほうにある」という場合でも、「ぶつけられた側も注意を怠っていた」などと判断され、「1割~2割ほどは過失があった」とされるのが普通です。 人間関係もこれと同じで、ケンカになった場合でも、「10対0で夫が一方的に悪い」などというケースはまず存在しません。 「夫のモラハラ的な発言はたしかによくないものの、妻が挑発したのも問題だ」といったふうに、双方に反省すべき点があることがほとんどです。
人間関係の最適解
でも、「真面目な人」ほど、「双方に非がある」と認めたがらないのです。こういう人は「社会一般の倫理観」に基づいて、「論理的、合理的」に判断していると思っていますので、「自分は一方的に正しい」と主張しがちなのです。 もちろん、それが悪いというわけではありません。ケースバイケースではありますが、こういう真面目な人は根拠があって言っているわけです。決して間違ったことを言っているわけではありません。 しかし、「白黒はっきりさせる」ことが、人間関係においては最適解とは限りません。 どんなに正しい主張であっても、ときには曲げたほうが人間関係がうまくいくこともあります。 そもそも、「白黒はっきりさせる」のは、「どちらか一方が100パーセント悪いことなんてほとんどない」という現実を無視しているとも言えます。
「真面目な人」は損をする
その結果、本人は正しい主張をしているつもりでも、結果的にトラブルの連続となることもあります。 このように「真面目な人」ほど、人間関係で損をしがちなのです。 人間関係を上手に構築している人、つまり世間から「コミュ力が高い人」「器用な人」と言われる人ほど、「白黒はっきりさせる」ことをせず、「両者を立てて丸く収め」ていたりします。
岡野 あつこ(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー)