伝説の"極悪女王"ダンプ松本インタビュー「ゴキブリ入りケーキにしても『死ね』と書かれた山のような年賀状にしても『わざわざありがとう!』って気持ちだったね」
――一方で、ダンプさん自身の「いいお話」はないんですか? ダンプ そんなものない! あ、いや、当時の親たちが子供に「悪いことをしたら、ダンプを連れてくるよ!」って脅してるって話はよく聞いたな。みんな、いい子になったらしいよ(笑)。 あとその頃はベビーが花道を歩くとき、やたらベタベタとカラダを触わってくる迷惑なお客さんがいて。よくセコンドが耳打ちしてくるんだよね。「ダンプさん、あそこに変態がいます」って。で、そのお客さんの近くで場外乱闘を仕掛けて、わかりにくいよう痛めつけたことはあるかな(笑)。 ――ちなみにいままでで一番印象的な試合は?ダンプ それはやっぱり(長与)千種との敗者髪切りデスマッチ(1985年8月28日、大阪城ホール)だよね。 ――ものすごい流血戦の末、長与さんが敗れ、リング上で髪をバリカンで刈られるという衝撃的な試合でした。 ダンプ もう会場中の怒りが大爆発しちゃって。控え室に戻る時に「お前が悪い」とか言って警備員に殴られ、その上、帰りのバスでお客さんに囲まれ揺らされた。最終的には、危険だからと宿泊客以外絶対に出入りできない高級ホテルに逃げ込んで。 しかもあまりに凄惨だからと、抗議が殺到して、関西でのレギュラー放送が打ち切られることにもなって。いやーあの時は大変だったな。今では本当に考えられないよね(笑)。 ――ダンプさんは現在もリングに上がっていますが、いまの女子プロレス界についてはどう思いますか? ダンプ しっかりと見てないからはっきり言えない部分はあるんだけど、自分の印象では昔のようなタテ社会ではなくなってるよね。それはちょっとだけどうなのかなって思う。 ――タテ社会が厳しいと、昔の女子プロレス界にもあったと言われる理不尽ないじめなど、起こるのでは? ダンプ それはまた別の話だよね。実際、極悪同盟にはそんなものはなかったし。いまはちょっとなぁなぁになっているというか、もう少し筋が通っているところはあったほうがいい気がするな。まぁ古い考えかもしれないけどね。