鈴木亜美さん(42)デビュー曲がヒット!「こんな生活は長続きしないと思っていました」|VERY
すべてを抱え込んでしまった1人目育児は辛かった
──34歳で1人目、3人目は40歳で出産。育児において、つらいと感じた時期はありましたか? 子どもが1人から3人になると、当然大変なことは増えるのですが、私は第一子を産んだころのほうがつらかったです。母親になったばかりのころは、仕事同様に育児に対して100%全力を注ぎ込んでしまうところがありました。ちょっとでも熱を出したら、「早く病院に行かなきゃ」「仕事で迷惑をかけてしまうかも」といちいち大慌てしてしまって。でも、二人目が生まれたことで、一人の子だけに全力集中することはできなくなりました。私の場合はやはり、やることが増えたほうが一つひとつのことに悩みすぎず「ま、仕方がないか」「できることだけをやろう」と思えるようです。 ──YouTubeなどで、時間の使い方やお金のことなど育児のありのままを発信していることも話題ですね。 長男のときは生後半年ほどで復帰しました。当時は一時保育が利用できないときには現場に子連れで行くこともありました。スタッフのなかには育児経験者もいて、仕事の合間によく悩みを聞いてもらっていました。当時はとにかく育児で失敗しないようにしなくちゃ、と気を張っていたので、「こういう方法もあるよ」「もっと手を抜いても大丈夫よ」と教えてもらうだけで涙が出てしまうことも。SNSなどで子育て世代の発信する情報に助けられることも多かったので、自分のYouTubeではなるべく、育児のリアルやお金の話などぶっちゃけ話をさらけ出すようにしています。今、育児中の人が少しでも肩の力を抜いてもらえたらうれしいです。
子育てしやすい社会のために、声を上げたい
──インタビューでは子育て政策や育児を取り巻く社会問題について話をすることも。あえて政治的、社会的なことに触れる理由を教えてください。 「育児がしにくい社会構造になっている」と肌で感じているからです。「経済的な余裕がなく、子どもを育てる自信がない」という若い人の声をよく聞きますが、今の社会状況で出産・育児に慎重になるのは当然です。すでに子どもがいる人も、「本当は2人目、3人目が欲しいけれど、金銭的、体力的な負担が大きくて躊躇してしまう」といいます。共働き世帯がこれだけ増えているのに家事や育児の大部分を女性が担っているケースも多いですし、保育士さんはあれだけハードで専門的な仕事なのに給与水準が低くて、1人で何人もの子どもを見ないといけないという構造的な問題もあります。こういった状況が改善すれば少子化に歯止めがかかるかもしれないのに……と歯がゆいです。私ができることは限られていますが、子育て中の我々や後輩たちが抱えている不安や不満はなかったことにせず言葉にしたいですし、それが巡り巡って子育て世代を取り巻く社会を変えることにつながればと願っています。 PROFILE 鈴木亜美(すずきあみ) 1982年生まれ。オーディション番組『ASAYAN』(テレビ東京)に出演し、1998年『love the island』で歌手デビュー。その後、結婚、出産を経て三児の母に。2022年には11年ぶりの単独ライブを開催するなど多方面で活躍中。自身のInstagramやYouTubeなどで、育児のリアルや趣味の激辛グルメなど積極的に発信。 取材・文/樋口可奈子 撮影/堺 優史 ヘアメーク/小松胡桃(ROI) スタイリスト/山本有紀 ニット¥8,800ビスチェ¥7,700(ともにラエミューズ)パンツ¥19,800(CREDONA)ピアス¥14,300〈サローネ サーティ〉バングル¥13,750〈エイチアッシュ〉左手リング¥19,800〈イットアトリエ〉(以上すべてフォーティーン ショールーム)ブーツ¥28,600(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)※その他は本人私物