鈴木亜美さん(42)デビュー曲がヒット!「こんな生活は長続きしないと思っていました」|VERY
1998年に、オーディション番組から彗星のごとくデビューした鈴木亜美さん。歌手として大ヒットを連発しながらも、「そんなに長く続かないだろう」とどこか冷静な気持ちを抱えていたといいます。その後、結婚、出産を経て、精神的にも大きな変化が……。鈴木さんが今、育児をしながら感じている葛藤とは? 今の率直な思いを伺いました。 ▶︎【特別公開】鈴木亜美さん(42)と三人のお子さんの日常|VERY
「芸能界で注目されるのはどうせ今だけ」と覚悟はできていた
──2023年、デビュー25周年という大きな節目を迎えられました。90年代からの活躍は記憶に残っている人も多いと思います。 正直なところ、デビュー当時は、ここまで長く芸能活動を続けていられると思っていませんでした。小さいころから芸能界に憧れていたので、「もしもテレビに出られたら……」とずっと考えていました。一方で、「この人たちはずっと売れているな」「あの歌手は最近見かけないけれど、どうしているんだろう」とテレビや雑誌を冷静に眺めていることも多かったので、実際にデビューが決まった際は、意外と落ち着いた気持ちでいられました。「芸能界で生き残るのは大変なこと」「どうせそんなに長い間テレビに出続けられないだろう」と割り切っていたためか、焦らず目の前の仕事を精一杯楽しむことができました。
90年代のデビュー当時。雑誌の撮影現場で ──10代のころから冷静にご自分の状況を分析されていたのですね。 もともと、力をゆるめることが苦手な性格なので、何か一つクリアしたと思ったら次の山が来て……ということの繰り返しです。現状に満足できず、若いころから常に自分で自分を大変な目に遭わせてきたという感覚があります。ありがたいことに一度曲がヒットしても「じゃあ次はライブツアーやアルバムを成功させないと」と新たに大きな目標を考えてしまい、どんなことをしても今の自分に満足することができませんでした。 ──鈴木さんにとって、30代はどんな時代だったのでしょうか。 いちばん波がある時代でした。10代、20代は、全力で突っ走ればなんとかなりました。でも30代になった途端、「まだ若いから」「子どもだから」と大目に見てもらえる武器がなくなったような気がして。仕事においても、真面目に考えすぎる性格ゆえ、自分が選んだことすべての責任を持たなくてはいけないと常に思っていました。30代前半は自分の立ち位置に迷い、試行錯誤していましたが、旅先で偶然出会った夫と気が合い結婚。その後の出産で自分の役割が急に増えたことが結果としてよかったと思っています。一つのことだけに追い詰められがちな私は、仕事と育児を両方同時にやることで徐々に「完璧にやらなきゃ」という思いを手放せたように思うんです。