3代目となるホンダ新型「フリード」公道試乗、変わらない本質と進化した点とは?販売好調の理由に迫る
ここ30年近く、日本の乗用車市場ではコンパクトカー/ミニバン/SUVが人気だ。これに軽自動車を加えると、その年に販売された車両台数の8割ほどが占められる。 【写真で見る】ホンダの大人気ミニバン、新型「フリード」の内外装を徹底的にチェック 1995年あたりは、飛ぶ鳥を落とす勢いで売れていたステーションワゴンだが、2000年代になるとミニバンやSUVにバトンが渡された。多人数乗車が得意で居住スペースに優れるミニバン、悪路での走破性能を高めたクロスカントリー4WDとステーションワゴンの融合体ともいえるSUVは、キャラクターが明確で各社がこぞって新型車を投入したこともあり、現在も堅調に売れ続けている。
コンパクトカーも長らく好調で、たとえばトヨタ「ヤリス」、日産「ノート」は販売台数トップ10の常連だ。加えて5~7人乗りのコンパクトミニバン人気も根強い。字のごとく、コンパクトカーとミニバンのいいとこ取りが受け入れられたわけだ。短いボディに背高ノッポのいわゆる容積型であるため使い勝手に優れ、ファミリー層をターゲットに装備も充実。それでいて200万円から購入できる。こうした高い実用性が多くのユーザーから支持されてきた。
【写真】ホンダの大人気ミニバン、新型「フリード」の内外装を徹底的にチェック(36枚) ■ホンダ「フリード」の歴史 ホンダのコンパクトミニバン戦略は21世紀早々に幕を開けた。2001年12月の「モビリオ」、2002年9月の「モビリオ・スパイク」がそれだ。この2台をルーツとする初代フリードは2008年5月に、そしてモビリオ・スパイクの後継的位置付けの「フリード・スパイク」は2010年7月にそれぞれデビューした。
2016年9月には2代目フリードに進化する(フリード・スパイクは「フリード+」に改名)。2019年10月にはSUV的に仕上げた派生モデル「フリード・クロスター」を導入した。ホンダが画策した直球戦略は見事にハマり、2代目は堅調に売れ続けた。2023年の販売台数は約7万7562台(日本自動車販売協会連合会調べ)と、モデルライフ後期にもかかわらず年間販売台数ランキング10位に食い込んだ。 ■2024年デビューの新型フリード