学校給食のレプリカの展示を見る来館者=つくば市上沢

1954(昭和29)年に学校給食法が制定されて今年で70年。節目の年に合わせ、学校給食の歩みを紹介する企画展「いただきます!　公文書でえがく学校給食」が31日まで、茨城県つくば市上沢の国立公文書館つくば分館で開かれている。展示を工夫し、戦前戦後から現代までの学校給食の歴史を公文書とともに分かりやすく伝えている。 学校給食は1889(明治22)年、山形県鶴岡町(現鶴岡市)の大督寺内に建てられた私立小学校で、生活が苦しい家庭の子どもたちに無償で食事を提供したのが始まりとされる。 学校給食の歴史をパネルで順を追って紹介。学校給食法の原本をはじめ、コッペパンやソフトめんなど給食のレプリカなども展示している。 戦前では、政府が子どもたちの健康を考え、栄養献立表を作成、配布していたと説明。戦後は、食料難を背景とした脱脂粉乳など海外からの食料援助、パン需要の拡大、学校給食法の制定、夜間定時制高校での導入など、各時代の話題を紹介している。 このほか、同県水戸市立三の丸小学校で書かれた昔の給食日誌や検食簿なども展示。職員の献立作りへの思いがつづられ、来館者の目を引く。 見学に来ていたつくば市の中学1年、岩田和佳奈さん(13)は「当たり前に食べている給食にさまざまな歴史があると分かり、大変興味深かった」と感想を話していた。 岩間裕史つくば分館長は「展示説明では文章を平易にするなど、子どもたちでも理解しやすいように工夫した。夏休みの自由研究で役立つと思うので、ぜひ足を運んでほしい」と来館を呼びかけている。 開館時間は午前9時15分～午後5時。入場無料。