78%が「運動によって生理痛が軽減する」と回答!世界的な調査で判明した「生理と運動」の効果
新たな調査によって、運動は生理痛にとてもよい影響を与えることが分かった。 アクティブな女性を対象としたグローバルな調査結果を見る限り、運動は生理中の症状を大幅に改善させる。米セントメアリーズ大学とコーチングプラットフォーム『FitrWoman』の合同調査チームがランニング・サイクリングアプリ『Strava』に登録している女性1万4000人の回答を分析したところ、回答者の78%は運動によって生理痛が軽減すると感じていた。 【写真】生理痛を緩和する覚えておきたい12の食べもの また、その女性たちが症状の緩和にもっとも効果的と感じているのは、中強度(息は上がるけれど会話はできる程度)の運動だった。
生理中はランニングのペースが落ちる?
この調査に参加した女性の88%は、生理中は運動パフォーマンスが低下すると感じていた。でも、生理のせいでランニングのペースが落ちることは本当にあるのだろうか? ひとことで言えば、ない。2002年のシカゴマラソンに出場したポーラ・ラドクリフは、レースの終盤で生理痛に苦しみながらも世界記録を破ったことで知られる。1996年のボストンマラソンで優勝したウタ・ピッピヒは、脚に経血を伝わせながらフィニッシュラインを切った。そして、マラソンに14回出場している婦人科医のジュリー・レヴィット医師によると、多くの女性ランナーは生理中に自己ベストを更新する。 むしろ、生理中の体はいつもより効率的に走れる状態にある。レヴィット医師の話では、その生理が自然に来ている場合でも、低用量ピルやプラセボ薬によって起きている場合でも、生理中は体内のエストロゲンとプロゲステロンの値がもっとも低くなるため、女性の体が生物学的な意味で“より中性的”な状態になるのだそう。また、生理中の体は自分が妊娠していないことを知っているので、出産に向けて子宮の準備を整えることにバタバタしない。だから、ランニングを含め、妊娠・出産以外のことに集中できるというわけだ。さらに生理中の体は、糖質をエネルギーに変換し、オーバーヒートを防ぎ、リカバリーを促進する能力にもたけている。 この調査の起案者で運動生理学者のジョージ・ブルインヴェルス博士は、次のように述べている。「この規模で調査ができることを非常にうれしく思います。アクティブな女性から成る『Strava』の素晴らしいコミュニティへのアクセスが許されなければ、まず不可能なことでしょう。この調査結果が世界中の女性の役に立つことを願っています。女性には、運動や生理、さまざまなライフスタイルの要素に関する重要な対話を通して、自分の体と対立するのではなく連携しながら生きることを学んでほしいと思っています。そのためにも私たちは、(生理という)ごく普通で自然なことについて女性が安心して話し合える環境を作りたいと思っています」 ※この記事は、イギリス版『Runners World』から翻訳されました。