和歌山県内統一の指針策定へ 行事対応の戸惑い教訓、南海トラフ臨時情報
気象庁が8月、和歌山県内に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表した際、県内市町村や事業者らがイベントの中止や開催の判断に戸惑ったことを受け、岸本周平知事は市町村などに向けた県内統一のガイドライン(指針)を策定する方針を示した。 【「対応の統一基準を」 巨大地震の臨時情報で和歌山県知事の記事はこちら】 臨時情報(巨大地震注意)は8月8日、宮崎県沖でマグニチュード7・1の地震が発生したことを受け、気象庁が発表。同15日まで続いた。 夏の観光シーズンに当たり、さまざまイベントが予定されていたが、県内でも主催者によって対応が分かれた。例えば、白浜町では白良浜海水浴場などが閉鎖、花火大会も中止となり、観光産業に大きな影響が出た。一方で、県内では予定通り実施されたイベントもあった。 このことから県は、南海トラフ地震の想定区域での統一基準が必要だとし、太平洋側各県とともに、統一的な対応基準を策定するよう政府に求めていた。 内閣府は12月20日、臨時情報を発表する際の改善策をまとめた。イベントの開催や中止の判断などについては、地域の状況に応じて決めるよう求め、統一基準は示されなかった。 これを受け、岸本知事は24日の定例記者会見で「大ざっぱでもいいので物差しが欲しいと思っていた。県内市町村がばらばらでは困るので、ガイドラインを検討したい」と話した。方向性については、臨時情報(巨大地震注意)の考え方に沿う形で「できる限り日常生活を維持する形にしたい」という。 県によると、県内市町村や事業者、太平洋側の各県と意見交換するなどし、来年度内には策定したいとしている。
紀伊民報