水原一平氏の違法賭博問題をテレビ局はどう報じたか フジ記者の強引な取材と解釈に疑問
ワイドショーの「メディアスクラム」に取って代わり…
かつて1980年代から2000年くらいにかけ、事件の被害者や加害者の親族などにテレビカメラが殺到するメディアスクラム(集団的過熱取材)が大きな問題になった。筆者の記憶では、主にワイドショー(情報番組)の取材がそうした強引な取材をやっていた。それこそ子どもが殺害された通夜の会場前でカメラが待ち構え、弔問客に片っ端からマイクを突きつけて「今のお気持ちは?」などと無神経に聞いていた。報道取材の研修や訓練を受けた記者ではない、素人の取材だと、報道畑の人間たちは思っていた。 ところが、その後姿勢を改めたテレビ局は、事件事故などの現場に、そうした情報番組(ワイドショー)のレポーターをあまり行かせなくなった。結果、現在ではスタジオなどに専門家を招いてパネルで議論する形式が増えたが、反面、目につくようになったのが、ニュース番組を中心にした報道記者たちによる不祥事だ。 こうした直接関係ない相手への強引なドアホン取材は極力やめるようにしたいものだ。マスゴミなどと言われないようにするためにも。 水島宏明/ジャーナリスト・上智大学文学部新聞学科教授 デイリー新潮編集部
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