揺れる温室効果ガス削減目標(上)「結論ありき」の審議会に疑問の声相次ぐ
記事のポイント①温室効果ガス削減目標を決める審議会で、委員から疑問の声が相次ぐ②「結論ありき」の進め方に、「審議会の体をなしていない」という声も③「利害調整型」の日本の政策決定プロセスでは、野心的な目標を描き切れない
温室効果ガス(GHG)削減目標を決める政府の審議会の進め方に、疑問の声を上げる委員が相次ぐ。十分な議論を行うことなく、「結論ありき」で進むプロセスに、「審議会の体をなしていない」という批判の声が上がった。利害関係者による審議会を基盤とする「利害調整型」の日本の政策決定プロセスでは、野心的な目標を描き切れない。(オルタナ編集部) 政府はパリ協定で定めた「1.5℃目標」の達成に向けて、2035年のGHG削減目標について議論している。この目標を、「NDC(国が決定する削減目標)」と呼ぶ。 パリ協定の規定では、締約国に対して、国連へのNDCの提出を義務付けた。次回の提出期限は2025年2月だ。 現行のNDCは2030年度に2013年度比46%減だが、国連は現在の削減目標のペースでは、「1.5℃目標」は達成できないと指摘した。先進国など、主要排出国には野心的な削減目標を打ち出すことを求めた。 気候変動に関する科学機関「Climate Action Tracker(クライメート・アクション・トラッカー)」は、「パリ協定」に整合するためには、2035年度までの日本の削減目標は「81%」(2013年度比)であるべきと指摘した。 (続き) ■「裏付けも不十分で、なぜトップダウンなのか」 ■「環境省から意見書の提出を控えるよう言われた」 ■削減目標は「カーボンバジェット」をもとに決めるべき ※続きはオルタナオンラインでお読み頂けます。