【中国】中国自動車メーカー、PHV投入を強化
中国の自動車メーカーが、プラグインハイブリッド車(PHV)の投入を強化している。電気自動車(EV)の販売が鈍化する中、PHVの伸びは好調で、中国市場で苦戦する合弁ブランドもPHVの投入を増やす方針だ。第一財経日報(電子版)が伝えた。 新興EVメーカーの広州小鵬汽車科技(Xpeng)は、広東省広州市に新設する工場でPHVの生産を計画しているもようだ。小鵬汽車が生産を計画しているのは航続距離を延ばせる「レンジエクステンダー式EV」とみられ、中国の統計ではPHVに分類される。2025年下半期(7~12月)にも量産体制に入るとみられている。 中国では今年、電動車ブランドのPHV投入が相次いでいる。これまでに重慶長安汽車系の「阿維塔(アバター)」や、浙江吉利控股集団系の「極ケ(ケ=きがまえに克、ZEEKR)」、上海汽車集団系の「智己」、広州汽車集団系の「広汽埃安(AION)」のEVメーカーがPHV車種を発表。小鵬汽車がPHVの生産に乗り出せば、EV専業を維持する中国メーカーは上海蔚来汽車(NIO)のみになるとの指摘もある。 合弁ブランドでも、米ゼネラル・モーターズ(GM)系の上汽通用汽車、ドイツ・フォルクスワーゲン(VW)系の上汽大衆汽車と一汽大衆汽車がPHVの投入を強める方針を示している。 中国自動車工業協会によると、24年1~8月のPHV販売は前年同期比84.2%増え、伸び率はEVの9.7%を大きく上回った。新車販売台数全体に占める割合は、EVが22.5%、PHVは15.0%。 PHVは電気とガソリンのどちらかで走ることができるフレキシブルさが消費者の需要をつかんでいる。国家発展改革委員会(発改委)系シンクタンクの国家情報センター(国家信息中心)は、EVの航続距離に対する不安を解消するのが中期的に難しい中、PHVは販売の伸びが一層拡大に向かうとみている。