公務員になれば「勝ち組? 」一般会社員との「年収」「福利厚生」はどう違う?
公務員の仕事は「一般企業に入社したものの、やっぱり公務員のほうがよかったのでは? 」「子どもを就職させるなら、公務員がよい」など、何かと比較されがちです。 では、実際に公務員と一般的な企業の給与額には、いくらぐらいの差があるのでしょうか?また、公務員になるメリットは、ほかにもあるのでしょうか? この記事では、公務員と一般企業の給与額の差と、福利厚生などについてご紹介します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
公務員の平均給与と全国平均を比較
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査結果の概況によると、一般労働者の平均賃金は31万8300円です。この額と、公務員の額を比較してみましょう。 国家公務員と地方公務員の平均給与額を表1にまとめました。 表1
※総務省「令和5年地方公務員給与実態調査結果等の概要」を基に筆者作成 これらは、扶養手当や住居手当など諸手当を含み、時間外勤務手当などを除いた額です。なお、地方公務員は、「町村」「市」「都道府県」と規模が大きくなるほど、平均給与額がアップします。 一般労働者と比較すると、国家公務員はおよそ8万6000円、地方公務員はおよそ4万円高い額となっています。
公務員の福利厚生
では公務員の福利厚生には、どのようなものが挙げられるのでしょうか?一般労働者では珍しい福利厚生制度をご紹介します。 ■珍しい特別休暇 一般職の国家公務員には、一般企業には珍しいさまざまな特別休暇があります。例えば、次のような休暇が挙げられます。 ●ボランティア活動に参加(年5日) ●骨髄等ドナー(必要な期間) ●不妊治療(年5日※体外受精・顕微授精による通院はさらに5日加算) ●子どもの看護(年5日※子どもが2人以上の場合は10日) 地方公務員でも、国家公務員の特別休暇に似たような休暇制度を導入しており、その内容は地域によって異なります。 ■自治体の互助会による福利厚生 各地方自治体の互助会に加入している公務員は、さまざまな福利厚生を受けられます。例えば広島市職員互助会では、次のような福利厚生が受けられます。 ●パートナーシップ祝い金 ●積立年金保険 ●スポーツ観戦招待 ●演奏会やチケットの鑑賞会招待 ●広島市内特約店の各種サービス 自治体ごとに、受けられる福利厚生は異なりますが、多くの自治体では広島市と同じように、健康支援や体育文化事業・ライフサポート事業などの手厚い福利厚生が用意されています。 ■初年度から取得できる有給休暇 公務員の多くは、入社した時点で有給休暇が15日与えられています。一般企業では、有給休暇は労働基準法第39条で定められているように、入社半年後、営業日の8割以上出勤して初めて10日間の有給休暇が与えられます。 なお、有給休暇の平均取得日数も、次のように公務員のほうが多い傾向です。 表2