石破首相よ、「正直モン」捨て国益にかなう政策を 親しい仲のGANKO小嶋淳司社主
和食店を手がけるGANKO(大阪市)創業者・社主で石破茂首相と親しい小嶋淳司(あつし)氏(89)が産経新聞の取材に応じ、「首相は『正直モン』であることをやめ、持論と異なっても国益にかなった政策の遂行を」と注文した。第一に期待する政策として「地方創生」を挙げ、農林漁業の強化などが、日本全体の「創生」にもつながると訴えた。 【写真】「囲む会」で石破茂氏と写真に収まる小嶋淳司氏 同社が鳥取県の漁業関係者らと取引してきた縁で、同県選出の石破氏と小嶋氏の付き合いは長い。新型コロナウイルス禍前の平成31年2月まで「囲む会」を大阪で計6回開いたという。 石破氏が今回の自民党総裁選に立候補後は「今は大変やろうから」と連絡を取っていない。今年9月27日に総裁に選ばれ、実質的に首相就任が決まったときは「苦労するやろな」と思った。 石破氏はこれまで、しばしば自民党の方針に楯突き「党内野党」と評されているほか、離党経験があることから「裏切り者」と呼ばれたり、仲間を作ろうとしないと批判されたりしている。 しかし、イベントなどで顔を合わす石破氏の素顔は「ごく普通で明るい」。政治家としての石破氏は「ものすごい正直モン(正直者)」とする。正しいと信念を持つ政策などに忠実で、異なる意見との軋轢(あつれき)も気にしないということだ。 そして、小嶋氏は、首相として、その特徴は「克服する必要がある」と忠告。持論と異なる政策でも首相として実現しなければ「大きく国益を損なうことがある」からだとする。 一方、石破氏の知識には舌を巻くという。 「国防なら、中国の軍艦1隻が何ミリ砲を何本そろえているかといったことまで詳しい。どこから(情報を)集めてきているのか。国際情勢が緊迫化する中、頼りになる」と話す。 石破氏の政策で期待するのは地方創生だ。 「石破氏は農業県の出身。農林漁業の実情を生活体験の中で身に染みて知っている」。近年の首相では珍しく農水相経験者でもある。「1次産業を活性化して地方を創生するのは石破氏の持論でもあり、絶対に押し通してくれるだろう」 農業経営の株式会社化を進めるなどして生産基盤を強化し、コメの価格や品質の安定化にもつなげるべきだとした。