好調GU、アメリカ商品本部からヒット続々。激売れデニムも「NYにトレンドの芽」
ファーストリテイリング傘下のジーユー（GU）が、グローバル展開に手応えを感じている。 【全画像をみる】好調GU、アメリカ商品本部からヒット続々。激売れデニムも「NYにトレンドの芽」 約2年間のポップアップストア出店を経て、2024年9月にはアメリカ・ニューヨークに初の旗艦店を出店。2022年の米国進出当初は「あまり売れない時期」もあったが、ヒットを生む体制作りが実を結んできた。
大ヒットパンツはニューヨークに流行の芽
「アメリカにも商品本部を置いたことで、GUが展開するすべての国・地域で受け入れられる商品を作る体制ができつつある」 事業方針説明会で、GUの柚木治社長はこう語った。 GU事業は好調だ。2024年8月期第3四半期までの売上高は2464億円で、前年同期比8.1％増。営業利益は294億円で同14.2％増加した。トレンドを取り入れた商品の販売が好調といい、商品開発に貢献しているのが2023年9月に新設したニューヨークの商品本部だ。 ヒット商品の一つが、「バレルレッグパンツ」シリーズ。樽（バレル）のような曲線が特徴的なワイドパンツで、「ニューヨークでトレンドの芽を見つけた」（柚木社長）という。 中でもバレルレッグジーンズは、国内の一部店舗で先行販売したところ予想を上回る人気を得た。全店発売時期が7月から9月に延期されるほどの反響を呼んだ。 「バレルレッグがトレンドとして浮上してきていることをいち早くキャッチできた。また丈感やフィット感に対するアメリカの様々なお客様の声も取り入れて開発した結果、アメリカだけでなく日本やアジアのお客様にも好評となった」（柚木社長）
売れない時期あっても…着実なアメリカ進出
GUはアメリカ進出に向けて着実に歩を進めてきた。 2022年から2024年夏まで、本格出店を見据えてアメリカにポップアップストアを開店。当初は「我々が売れると思っていたものと、実際に売れるものが完全に乖離」（柚木社長）していたことで売れ行きが振るわない時期もあったと明かすが、次第に売れる商品の要素をつかんでいった。 そのキーワードとして柚木社長が繰り返し口にしていたのが、「グローバルマストレンド」という言葉だ。日本国内だけでなく、世界でのヒットにつながるトレンドをつかむことにアメリカの拠点が力を発揮しているという。 世界最先端の都市で開発拠点と店舗を持つことで、トレンドの把握や海外の着こなしの好み、日本人と異なる骨格に合わせた商品開発につながった。 「日本は世界と比べて体型や肌を隠すファッションを好む特殊な市場。なのでグローバルの好みはそうじゃない（ことを意識するべき）とか、あるいは骨格が違うので、日本向けとは別にアメリカ向けのシルエットを開発した」（柚木社長） GUは今、国内440店舗、海外は台湾と香港、中国、アメリカに計35店舗を展開する。 将来的にはユニクロと同程度（2023年8月期時点で1634店舗）での海外展開を目指しているという。 「日本も中国、台湾、香港も、全方位で積極出店をしていく。いつまでに何店舗ということはお伝えできないが、今年度を見てもそうであるように、海外の方が成長率はより高く、より急成長していく計画を描いている」（柚木社長）
土屋咲花
