ASMLの海外進出計画、オランダ政府が懸念-報道
(ブルームバーグ): オランダ政府は同国の半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングが海外に拠点を移すことを阻止しようとしている。オランダ紙、デ・テレグラフが報じた。
ASMLは最先端半導体の生産に必要不可欠な装置を製造している。同社は退陣するオランダの内閣にビジネス環境について多くの要望を提出し、海外進出も検討していると伝えたと、同紙が6日、事情に詳しい関係者の話を基に伝えた。
ASMLはコメントを控えた。政府報道官は、内閣はオランダの社会、経済、雇用にとっての利害について企業と定期的に対話していると述べた。
外国人留学生の流入を抑制し、オランダに駐在員を引きつけてきた税制優遇措置を縮小するという政府の提案は、ここ数カ月にASMLを含むいくつかの企業の不興を買っている。企業はそのような措置がオランダの長期的な競争力に影響を与えると主張している。
デ・テレグラフ紙によると、フランスはASMLの海外進出先として選択肢の一つ。フランス財務省はコメントを控えた。
昨年のオランダ総選挙では、ウィルダース党首が率いる極右の自由党(PVV)がまさかの第一党となった。まだ政権を樹立していないが、ウィルダース氏は反移民を掲げて選挙戦を展開した。
ルッテ首相とアドリアーンセンス経済相は、ASMLのピーター・ウェニンク最高経営責任者(CEO)と会談し、ビジネス環境について話し合う予定だという。
原題:ASML Plan to Expand Abroad Worries Government, Telegraaf Says(抜粋)
--取材協力:William Horobin.
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Sarah Jacob