120年前の万博でグランプリ受賞、世界を魅了したガラス工芸 作品展が京都で開幕
ガラス工芸を芸術の域にまで高めたフランスの工芸作家、エミール・ガレ(1846~1904年)の没後120年記念展「エミール・ガレ展 美しきガラスの世界」(京都新聞など主催)が22日、京都市下京区の美術館「えき」KYOTOで始まった。草花や昆虫などをモチーフに、独特の柔らかな色彩で作り上げたガラス作品77点が並ぶ。 ガレは、産業革命後のヨーロッパで花開いたアール・ヌーボー(新しい芸術)を担った一人で、植物学や生物学の知識を生かし、昆虫や花などの生命の輝きをガラスで生き生きと表現した。乳白色やくすんだピンク、煙るような茶色などの色彩は、自然界の鉱物を参考に作り出したとされる。1889年、1900年のパリ万博ではグランプリを受賞、世界にその名を響かせた。 会場には、日本にも関心を寄せていたガレが、松とタカをモチーフに雪景色をデザインした「雪景文花器」や、ユリの花びらをみずみずしく表現し、香りまで伝わってきそうな「百合文六角花器」、さまざまな植物をあしらったランプなど華麗な作品が並び、訪れた人はその卓抜した造形に見入っていた。 12月25日まで。会期中無休。有料。