[MOM4912]聖望学園MF小山晃也(3年)_「勝つ自信しかなかったです」。“聖望学園の心臓”が攻守で躍動し、昌平撃破!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [11.2 選手権埼玉県予選準々決勝 昌平高 3-4 聖望学園高 駒場] 中盤底に構える“聖望学園の心臓”が得点に、そして攻守にと躍動し、今夏の総体王者・昌平高撃破に貢献。聖望学園高MF小山晃也(3年)が大会屈指の番狂わせを演じるうえで立役者となった。 聖望学園は前半9分に相手のサイド攻撃から失点。早い時間の失点に気落ちも心配されたが、「正直、自分が取ればいいやっていう気持ちでいた」という小山がすぐさまチームを勇気づける。 16分、MF遠藤浬(3年)の右CKをファーサイドでFW太仲貴哉(3年)がヘディングで折り返すと、「良い感じで折り返してくれて、自分の上に来たのであとは叩くだけだった。(折り返しは)しっかり狙ってました」という小山がヘディングでしっかりと叩きつけて同点ゴールを奪った。 「ある程度、(昌平は)プレスをかけるチームには少しミスも目立つかなっていうのを動画とか見て思ったので、引くべきじゃないなっていうところで、みんなで前から行きました」。この日、聖望学園は昌平に対し、引くのではなく、ボールに対してコンパクトを保ちながら、前から行く形を選択。中盤は小山を中心に強度の高い守備を見せ、中央のスペースで攻撃させなかった。 また、「もう取って、ショートカウンターで素早く仕留めるっていうのが自分たちの狙いだったので、前の選択肢を常に狙っていました」というボランチは、ボールを持てば縦へのパスや運び出しでチームを前進させるプレー。21分には、ハーフウエーライン付近でボールを受けると、ドリブルで1人、2人とスルスルと交わしながらゴールエリア内に侵入。相手DFに阻まれ、シュートまでは打てなかったが、ここで得たCKから貴重な勝ち越し点が生まれた。 25分には、敵陣中央で受けたボールを的確に味方につけて3点目にも関与。後半は苦しい時間が続いたが、「自分たちのハングリー精神、チャレンジャー精神を出して、みんなでアグレッシブに行けて、最後まで粘り強くできた」と小山。山本昌輝監督も「もう今日はやっぱり小山晃也じゃないですか。攻守にわたって、得点も取れているし、守備もやっぱり彼があれだけボールを奪えなかったら成り立っていなかったと思うので素晴らしい活躍でした」と絶賛した。 豊富な運動量が武器で攻守にわたって活躍できる選手。昨年は攻撃陣にタレントがいた中である程度守備に徹してプレーしていた。だが、「守備もそうなんですけど、やっぱり守備だけやっていても勝てないなと思うので、自分が得点に絡んでチームに貢献したいなっていう想いがあります」とシーズンイン時にも話していた今年は、ボランチながらリーグ戦16戦12発とゴールを量産。今大会も1回戦の国際学院高戦での2得点を含む3ゴールとチームのトップスコアラーを誇る。 「勝つ自信しかなかったです」とこともなげに話す強靱なメンタルの持ち主で、指揮官も「彼がグイグイ引っ張ってくれる。良いモチベーターになっている」と信頼。小山は「スタジアムが初めての子もいる中で、昌平っていう大きい相手で、自分は経験してきて、ここでは終われないっていう、本当にそういう想いでみんなを鼓舞し続けて、今週の練習をやってきました」と語る。 「正直、ここが一番の山場だと想っていたので、笛が鳴った時は本当にすごく嬉しかったです」と話した小山だが、次の瞬間には表情を引き締め「ここで昌平に勝って満足していても次はないと思う。自分たちは最後の年ですし、ここで結果を出さなきゃ成功に貢献できないので、しっかり準決勝を勝って、決勝も勝って全国に行きたいと思います」と意気込んだ。「自分がチームの中心だと思ってやっています」と話す“聖望学園の心臓”が初タイトルに向け、次も攻守で貢献する。 (取材・文 石黒登)
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