和菓子店だった「ぬか茂」に新たな風を ~かりんとうの無限の可能性~
福島県内で長く愛される老舗にスポットを当てる「老舗物語」。今回紹介するのはおよそ150年にわたって地元で愛される菓子店。およそ10年前に生まれた大ヒット商品が秘める無限の可能性とは? 【写真を見る】和菓子店だった「ぬか茂」に新たな風を ~かりんとうの無限の可能性~ 明治12年創業「ぬか茂」。「糠澤(ぬかざわ)菓子店」として本宮市で産声を上げ、およそ150年にわたってこの場所で地元の人から愛され続けています。 店内には、創業当初から受け継がれる数々の和菓子に加えて、ケーキなどの洋菓子も並びます。糠澤正之社長は、およそ30年前から実家である「ぬか茂」で働き、去年、兄から店を引き継いで6代目となりました。しかし、子どもの頃は店を継ぐことになるとは思いもよらなかったそうで・・・。 --糠澤正之 社長「和菓子には全く興味がなかったので、小さい頃から洋菓子や洋食に興味がありました。近所のパン屋さんに工場見学に行ったときにパンの香りだったり、その香りに惹かれて、ぬか茂じゃない香りがずっと記憶に残っていて。」 地元の高校を卒業したあと、東京で会社員になった正之さん。サラリーマンとして働いていたある日、菓子への憧れが呼び覚まされるきっかけが訪れます。 --糠澤正之 社長「日本橋の衣類関係の問屋に勤めていて、そこから夜、食事に行ったときにケーキ屋さんでケーキを食べて感動して。そのとき、ケーキ屋さんになろうと思った。」 正之さんは、勤めていた会社をすぐに退職して洋菓子職人の道へ。およそ10年の修行を経て地元に戻り、和菓子店だった「ぬか茂」に洋菓子と言う「新たな風」を吹き込みます。創業当時からの味を受け継ぐ和菓子に、正之社長が地元に持ち帰った洋菓子。そして2011年、ぬか茂に新たな大ヒット商品が生まれます。 --糠澤正之 社長「こちらが、ぬか茂で1番人気のかりんとうです。」 イチゴ味やコーヒー味など、店に並んでいるものだけで20種類近くあるかりんとう。ぬか茂を代表する商品です。 --糠澤正之 社長「かりんとうの素材は、家庭にでもある小麦粉、油、砂糖など。手ごろに揃えられ、原価も抑えられる。味付けによっては、地元の味噌屋さんや醤油屋さんといろいろなコラボができたり、そういう味付けができるんじゃないかと思ったのがきっかけですね。」