貨物列車脱線から63時間…大動脈はいまだ運転見合わせ レール?車両?に不具合 JR函館線
STVニュース北海道
2024年11月16日にJR函館線で発生した貨物列車の脱線事故では、線路の復旧作業のため、18日も代行バスの運行が続いています。 なぜ脱線したのか、その原因について専門家は、車両またはレールのどちらかに不具合があった可能性を指摘します。 (東海林記者)「代行バスはきょうで2日目の運行となります。大勢の利用客が行列をつくってバスを待っています」 18日朝、JR函館駅にできた長い列。 函館駅―長万部駅間の特急列車が18日も終日運休となり、代行バスの利用を迫られた人たちです。 (札幌の病院に行く人)「仕方ないかなと思ってあきらめて並ぼうと早めに来ています」 16日に発生した貨物列車の脱線事故。 付近の住民は衝撃の大きさをこう振り返ります。 (付近の住民)「グラグラ。地震かなと思った」 現場はJR函館線の森駅と石倉駅の間。 上りと下りの列車が走る複線でゆるやかなカーブが続きます。 脱線したのは名古屋から札幌に向かう貨物列車。 16日午前1時40分ごろ、機関車1両にコンテナ車両20両が連なって走行中、コンテナ車両5両が脱線し、最後尾の1両はおよそ30メートル分離しました。 (東海林記者)「午後3時です。鉄道事故調査官が脱線事故のあった現場に入ります」 午後には国の運輸安全委員会が事故現場を調査。 (運輸安全委員会 西本正人鉄道事故調査官)「脱線事故なので非常に重大な事故。(レールが)なぜ折れたのか、いつ折れたのかいまから調査をしていきます」 現場に残された事故の痕跡。 それは踏切付近など合わせて3か所で見つかったレールの損傷でした。 なかでも大きいものは1メートル以上にわたり破断していたといいます。 専門家は、車両またはレールのどちらかに不具合があった可能性を指摘します。 (鉄道ジャーナリスト 梅原淳さん)「12両目の貨車の車輪(脱線した先頭車両)に例えば不具合があって、通過したためにレールが壊れて後続の車両を巻き込んで脱線したのか、あるいはレールそのものに異常があって、JR貨物が通過したときにレールが破損するなどしてそれで次々に脱線していったのかなという風に思います。レールが折れたのであれば金属疲労であるか、車両による衝撃で破損したと思います」 (長岡記者)「現場の踏切では破断したレールが入れ替えられましたが、まだ列車が走れる状況にはなっていません。枕木を入れ替える作業が行われています」 19日の始発からの運転再開を目指して夜を徹して行われている復旧作業。 安全の根幹を揺るがしかねない事故だけに、原因の究明が急がれます。