小野花梨、天才子役から“いま最も仕事をしてみたい女優“に。18年俳優を続けられたのは「いつか恩返しがしたい」
※小野花梨プロフィル 7月6日生まれ。東京都出身。8歳のときに『嫌われ松子の一生』(TBS系)でデビュー。『親バカ青春白書』(日本テレビ系)、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK)、『罠の戦争』(フジテレビ系)、『初恋、ざらり』(テレビ東京系)、映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(大根仁監督)、映画『ほどけそうな、息』(小澤雅人監督)に出演。ドラマ『グレイトギフト』(テレビ朝日系)が放送中。2024年3月1日(金)に映画『52ヘルツのクジラたち』、5月17日(金)には映画『ミッシング』(吉田恵輔監督)の公開が控えている。
ドラマ『鈴木先生』が転機に
2011年には『鈴木先生』(テレビ東京系)に出演。このドラマは、独自の教育理論を駆使して理想のクラスを作りあげようとしている中学教師・鈴木先生(長谷川博己)の奮闘の日々を描いたもの。小野さんは、性に対して奔放な中学生・河辺彩香役を演じた。 「『鈴木先生』は、大変でしたけど転機となった作品です。スタッフの方々が甘やかさないでいてくれたんですよね。ダメなことはダメだ、必要なことは必要だということを子役としてじゃなくて、ひとりの俳優として、ちゃんと私たちを見てくれていて。 だから、私が今持っている、『役者はこうであるべきなんだろう』みたいなものは、『鈴木先生』の現場で教えていただいたものだと思います」 ――同世代の方たちがたくんいらっしゃいましたが、撮影はどんな感じでした? 「本物の学校にはあまり行かずに、ずっと撮影していたので、本当の学校のようでした。 ただ、私は最年少で、一番上のお兄さんお姉さんは四つ上で、今でこそ四つってそんなに差は感じないですけど、当時私はまだ小学6年生だったので、四つってすごく大きな差があって。 だから今思うと、皆さんがいろんなことを教えてくれて、子守りをしながら撮影してくれていたなと思います」 子役時代から度胸と演技力が高く評価されていた小野さんだが、2020年代に入ってからの勢いは目を見張るものがある。2020年には、『親バカ青春白書』(日本テレビ系)に出演。 このドラマは、妻・幸子(新垣結衣)に先立たれた小説家・“ガタロー”こと小比賀太郎(ムロツヨシ)が、娘・さくら(永野芽郁)のことが好きすぎるあまり同じ大学に入学し、同級生としてキャンパスライフを送る、という驚きの日々を描いたもの。 小野さんはさくらが大学に入ってできた仲良し5人組のひとり・衛藤美咲役。福岡出身の元ヤンキーでお金に執着心が強く、バイト三昧の日々を送っている。 ――小野さんが演じた衛藤美咲のバックボーンもしっかり描かれていて。なぜあんなにお金に執着するのかということもよくわかりました。 「そうですね。ヤンキーだったのですが、『このままじゃいけない』と一念発起して、必死に勉強とアルバイトをして奨学金を頼りに福岡から上京。自分で一生懸命這い上がって頑張ろうと思っているんですよね。 笑いだけじゃないというか、いろいろな思い、要素がすごくたくさん詰まっていて、私の大好きな作品のひとつになりました」 ――ムロさんとのシーンは、アドリブも結構あったのですか。 「それが、実は意外と台本通りやられているんですよ。だから本当に巧みだなと驚きました。既存の台本に書かれているものをいかにアドリブっぽく見せるかといいますか、その技術がすごくて。 台本に書いてあることなのに、今思いついて言ったようにこっちも錯覚しますし、そう思ってご覧になっていた視聴者の方もいらっしゃったと思います」 ――ムロさんは本当にすごいですね。テンポも良くて緩急自在でおもしろかったです。小野さんも見事に適応されていて。 「本当ですか。ありがとうございます。撮影も本当に楽しかったです」 ――福岡でヤンキーだったときに付き合っていて、しつこく復縁を迫る元カレ(一ノ瀬ワタル)を撃退した飛び蹴りも話題になりました。 「本当に多くの方に見ていただいて、たくさんお褒めの言葉をいただきましたし、こうやってインタビューしていただいたり、そういうきっかけのひとつにもなった作品だったのではないかなと思います」 ――ムロさんに迫るシーンもありましたね。 「ありました(笑)。本番が終わって前室に入ったら、(永野)芽郁ちゃんと(今田)美桜ちゃん、(中川)大志くん、(戸塚)純貴くんが携帯を手に持って騒いでいて、私がムロさんに迫っているところを録画していて、『おかえり』って笑いながら迎え入れてくれました(笑)」 ――ドラマと同じように皆さん本当に仲が良かったのですね。 「はい。みんな本当にステキな方たちで、とても楽しくやらせていただきました」