シンガポールで開催された「ディズニーのイベント」で、なんと「日本のアニメ」が登場したということが「意味するもの」
先月11月20日からの2日間、ウォルト・ディズニー・カンパニーによる「ディズニー・コンテンツ・ショーケース APAC 2024」が、シンガポールにて開催されました。 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言 ディズニーが今後リリース予定の劇場・配信作品の情報を世界に向けて発表する当イベント。その一角で存在感を放っていたのは、なんと日本のアニメ作品達でした。 “ディズニー”と“日本のアニメ”は、大枠では同じアニメーションを扱うジャンルでありながらも、その盛り上がり方やファン層は微妙に異なるという認識も強いかと思います。そんな両者の関係性は、今どのように変わってきているのでしょうか。今回のイベントを通してみえてきた、現在の“ディズニーと日本のアニメとの関係性”を、取材での体験を基に分析してみます。
ディズニー・コンテンツ・ショーケース APAC 2024とは
ディズニー・コンテンツ・ショーケース APAC 2024は、前述の通り、ウォルト・ディズニー・カンパニーが今後リリース予定の劇場・配信作品を発表するお披露目イベントです。会場となったマリーナベイ・サンズには、日本国内外500以上のメディアやインフルエンサーが招かれ、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオやピクサーをはじめ、マーベル・スタジオやルーカスフィルム等の各スタジオから注目の作品情報が発表されました。 世界中で展開するウォルト・ディズニー・カンパニーですが、今回のイベントは“APAC”とある通り、特にアジア太平洋地域発の作品にも重点が置かれたイベントです。実写版「白雪姫」やマーベル、スター・ウォーズといったグローバル作品の発表を中心とした1日目に続き、アジア発作品の発表を中心とした2日目に、日本のアニメ作品も登場しました。
シンガポールで発表された日本のアニメ作品たち
今後のリリース紹介では、原作も話題の「メダリスト」や「戦隊大失格 2nd season」、「呪術廻戦(1期)」等で知られる朴性厚監督が手掛けるオリジナル作品「BULLET/BULLET」といった多くの作品が登場。また、ディズニープラスで既に高い支持を集めている作品としては、「東京リベンジャーズ」や「SAND LAND」の名前もあげられました。 中でも印象的だったのは、そうした中で発表された「キャッツ アイ」の新作アニメ化と、「ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション」の新情報です。それぞれ当日の様子と共に詳しく紹介していきます。 2025年に完全新作アニメ化し、ディズニープラスでの独占配信が発表された「キャッツ アイ」は、日本ではお馴染みの有名作品です。一方で、海外メディアも多く集まるシンガポールの会場ではどんな反応が起こるのか伺っていたところ、“主題歌はAdoが担当”という点に大きなリアクションが生じていました。 続けてAdo氏による「CAT’S EYE」が使用されたティザー映像が会場で流れると、筆者の周りにいた海外メディアも縦ノリで反応していたほどです。 昨今、日本国内で盛んな名作の完全新作アニメ化には、懐かしい世代が楽しむだけでなく、まだ知らない世代に新たに作品を知ってもらえるという側面があります。今回の「キャッツ アイ」の発表は、そうした縦軸に加え、グローバル展開を得意とするディズニーによって、不朽の名作が改めて、広く横軸にも知られていく予感のするものでした。 もうひとつの注目タイトルは、2020年のリリース以降、根強い人気を持つアプリゲーム「ディズニー ツイステッドワンダーランド(ツイステ)」のアニメ化作品です。 2021年にアニメ化プロジェクトが始動し、長いこと続報が待ち望まれていた本作の新情報が、まさかのこのイベントで発表されたことも大きな話題となりました。 実際に、発表直後には“ディズニープラス”をはじめ、“ツイステアニメ”や“コミカライズベース”※1、“オクタまで”※2といった関連ワードが日本のSNSで続々とトレンド入り。遠くシンガポールの地で発表された情報が、瞬く間に日本のファンに届き、話題が広がっていく様子が窺えました。 そしてこの「ツイステ」の発表でみられたファンの大きな反響は、昨今の日本国内におけるディズニーと日本のアニメとの関係性を考える上でも、重要なキーとなってきます。 ※1今回のアニメが本作コミカライズをベースに製作されることによるもの ※2今回、本作のアニメがシーズン3「エピソード オブ オクタヴィネル」まで製作されると発表されたことによるもの