「クロエ」に猛ダッシュで駆け込み、「リック・オウエンス」の荘厳さに圧倒される 2025年春夏パリコレ日記Vol.3
以前ショーを見ていた頃は鮮やかな色使いやグラフィカルな柄、ニットが得意というイメージを持っていたのですが、今季は静寂を表現するためか、黒や白、茶、エクリュといった落ち着いたカラーを軸にコレクションを構成。柄の表現も控えめでした。デザインは、柔らかなテーラリングとワークアウターの要素、そして生地を垂らしたり結んだりといったディテールを取り入れつつ、リラックス感のあるスタイルを打ち出します。ただ、ちょっとミニマルに振りすぎたかな?という印象は否めず。目を引いたのは、後半に登場したストライプのシリーズ。異なるストライプを切り替えたエフォートレスなドレスや、すっきりとしたシルエットの縦縞のドレスの上に、横縞のシアー生地を重ねることチェックを描いたデザインが素敵でした。
そして「ディオール(DIOR)」のResee(ショー後の展示会)で服に行った後は、「ピエール アルディ(PIERRE HARDY)」の展示会へ。有名ブランドが軒を連ねるサントノレ通りに新たにショップをオープンしたとのことで、今回はお店か会場になりました。ちょうどピエールさんがいたので話を聞くと、「今季は、クールかつ自由でリラックスしたフォークと、鮮やかかつ洗練されたガーリーという2つの異なるムードから着想を得た」とのこと。細いストラップ付きのバレエシューズや、柔らかなレザーを用いたメリージェーンにポインテッドトーのフラットシューズ、グラフィカルなカットアウトのアッパーで仕上げたサンダル、鮮やかな色やメタリックシルバーのローヒールパンプスやサンダルなどが揃います。アッパーにベジタブルなめしのナチュラルな風合いのレザーを使ったアイテムも新鮮でした。
天気さえ操った!?「リック・オウエンス」
村上:そして、いよいよ「リック・オウエンス(RICK OWENS)」ですね。屋外のショーにも関わらず、この日もパリは直前までしっかり雨。ところがリック様のショー会場がオープンする頃には雨が止み、待っている間にはなんと晴れ間が!さすが神秘的なパワーを持っていらっしゃる(笑)。今回はリックの奥様のミシェル・ラミー(Michele Lamy)のお姿を見かけませんでしたが、バックステージで祈祷していた、なんてことはないですよね?