J1優勝争いは“三つ巴”のまま最終節へ!! 連敗から蘇った2位広島、レジェンド青山敏弘の花道飾る5発圧勝!!
[12.1 J1第37節 広島 5-1 札幌 Eピース] J1リーグは1日、第37節残り1試合を行い、優勝の可能性を残すサンフレッチェ広島が北海道コンサドーレ札幌を5-1で破った。レジェンドのMF青山敏弘の花道を飾る圧勝劇で連敗を脱出。首位・神戸との勝ち点差を1に縮め、今季のJ1優勝争いは首位・神戸(勝ち点69)、2位・広島(同68)、3位・町田(同66)の“三つ巴”で最終節(8日)を迎える形となった。 【動画】アウェー中国戦の裏で起きていた珍事…日本代表FWがSNS上の声に反応「わざと」 広島は直近のJ1リーグ戦3連敗と苦しい戦いが続いていた中でのホーム最終戦。前日開催の試合で首位の神戸が引き分けたため、勝てば勝ち点1差に詰め寄ることができる一方、負ければ優勝の可能性が消滅するという条件で試合を迎えた。ベンチには今季限りでの現役引退を表明しており、試合後に引退セレモニーが予定されている在籍21年の青山、今季限りでの退団が発表されている在籍11年のMF柏好文も名を連ねた。 一方の札幌は前日開催の試合で柏が引き分けたため、J1残留圏内に浮上する可能性がなくなり、試合前にして来季のJ2降格が確定。広島以上に難しい状況下での試合となった。もっとも、ペトロヴィッチ監督は前節・湘南戦(△1-1)からの先発変更を1人にとどめ、MF荒野拓馬に代わって古巣対戦のMF浅野雄也が入るのみとなった。 試合は立ち上がりから広島が札幌を圧倒し、ダイナミックなクロス攻撃とセットプレーで札幌ゴールに迫る。すると前半8分、さっそく試合を動かした。FWゴンサロ・パシエンシアのポストプレーでファウルを受け、クイックリスタートで左を攻めると、MF東俊希のアーリークロスにFW加藤陸次樹がファーサイドで反応。最後はワンタッチで冷静にネットを揺らした。 もっとも、一方の札幌もここから勢いを出し、FW鈴木武蔵と浅野のスピードを活かしたカウンター攻撃に活路を見出す。すると前半12分、フリーの右でMF近藤友喜が仕掛けると、折り返しのパスを受けたMF馬場晴也が右足シュート。だが、これは大きく枠を外れた。対する広島は同14分、再び東が左を突破し、クロスががパシエンシアに通ったが、左足シュートはDF岡村大八が股下を閉じて完璧にブロック。互いに決定機を逃す形となった。 札幌は前半20分にもスローインからビッグチャンス。左の高い位置で浅野が受け、DF佐々木翔を振り切りながら折り返すと、これに鈴木が反応した。だが、右足ダイレクトシュートは枠の右に逸れ、広島にとっては命拾い。なおも攻める札幌は同35分、左サイド攻撃を起点とした空中戦から浅野がボレーで狙うも、枠を捉えられなかった。 それでも前半42分、札幌が同点に追いついた。右に開いた浅野を起点にテンポよくつなぎ、馬場がスルーパスを送ると、近藤が右のポケットを打開。折り返しのパスをニアに走り込んだ鈴木が押し込んだ。鈴木は3試合ぶりのゴールで今季5点目。優勝を争う相手に元日本代表ストライカーが意地を見せた。 苦しい時間が続く広島は前半45分、松本の果敢なボール奪取からカウンターを仕掛け、ゴール前で数的優位を作ると、パシエンシアのシュートはGK菅野孝憲がファインセーブ。またしても決定機を逃す。それでも直後、MF川辺駿のボールキープで右サイドでFKを獲得すると、これを蹴ったのは東。ゴール前に放り込んだクロスがそのままファーポスト脇に吸い込まれ、再び勝ち越しに成功した。 後半開始時には両チームとも選手交代を行い、広島はパシエンシアに代わってFWピエロス・ソティリウ、札幌はCBのDF大崎玲央に代わってMF白井陽斗をシャドーに投入。札幌はボランチの馬場がCB、シャドーのMF青木亮太がボランチに回った。その後は1点リードの広島が引き締め直して試合に入り、立ち上がりから加藤、ソティリウが立て続けにビッグチャンスを迎えた。 すると後半8分、広島は奪われたボールに即座にプレッシャーをかけると、近藤のバックパスを加藤がペナルティエリア内で奪取。GK菅野のファウルを誘ってPKを獲得した。キッカーはMFトルガイ・アルスラン。ゆっくりとした助走を仕掛けると、GKの逆を突くど真ん中のコースに決めた。アルスランは得点後、アップ中のベンチメンバーの元に走り、出番を待つ青山と抱き合った。 なおも勢いを保った広島は後半34分、カウンターから加藤が左サイドを抜け出すと、鋭いクロスボールにソティリウが反応し、ワンタッチで沈めて4点目。勝利を決定づけた。すると後半37分、広島のミヒャエル・スキッベ監督は川辺に代わって青山を投入。今季のJ1リーグ戦で最も長いプレータイムが与えられ、花道が整った。 広島は後半43分、東の左CKからソティリウがヘディングシュートを決め、5-1。直後にはMF満田誠に加えて柏もピッチに立ち、スタンドからは盛大なチャントが送られた。そのまま圧巻の盛り上がりの中で試合はタイムアップ。広島が勢いのつく5発圧勝でホーム最終戦を締めくくり、最終節での逆転優勝に望みをつないだ。