谷口彰悟「楽しみでしかない」 シント・トロイデンはひとつのきっかけで大きく変わる可能性を秘めたチーム
【情報が足りなかったがゆえに起きたミス】 ── 自分のコンディションを上げていくとともに、周りの特徴やチームが志すサッカーへの理解も進めなければいけなかった? 「今季からラタンツィオ監督が就任し、チームがボールを握る時はしっかりと握るといったスタイルを目指していることは、事前の情報で把握していました。僕自身はチームの練習にも参加できていなかったので、ミーティングにも加わることはできなかったのですが、それでも試合を見たり、監督の発言を聞いたりして、監督の考えや哲学を理解するように努めていました。 それをまずはピッチで体現したい、という思いは強かったですね。ポゼッションスタイルというと語弊があるかもしれませんが、チームはしっかりと自分たちでボールを持ち、動かしながら攻撃していく。それを明確にチームの狙いとして持っていましたから」 ── CBから攻撃を組み立てていくサッカーは、谷口選手の特徴が生きるのではないでしょうか? 「CBにもビルドアップを求められていますし、僕自身がそうしたプレーを得意としていることが、獲得してもらえた理由でもあると認識しています。そういう意味でも、自分の力が発揮しやすい環境だと感じています」 ── 初先発したアントワープ戦(第3節)は6失点。開始4分には、相手のクロスに対応しようとしたところで跳ね返せず、失点に絡みました。やはりコンディションの影響が? 「あの失点については、コンディションというよりも連係不足だと認識しています。僕がまだまだ周りの選手の特徴を知らなすぎたことが要因でした。その週に初めて1週間、みんなと練習ができたのですが、チームメイト全員の名前をようやく覚えたくらいでした。それぞれのプレースタイルや得意なこと、不得意なこと、性格までは把握しきれず、そうした情報が足りなかったがゆえに起きたミスでした。 4分の失点は、僕が処理できるボールだったので、『自分が対応する』と言ったのですが、伝わりきらなかった。僕自身も先にボールに触った選手がどれくらいジャンプ力があり、どれくらい対応できるかがわからず、おそらく触れないだろうなと思っていたら、ギリギリのところでボールに触れ、コースが変わって後ろに流れてしまった。 そこも含めて、僕が周りを理解できていないところが、試合序盤で露わになってしまった責任だと思っています。だから失点直後には、これは『自分のせいだな』と自分自身に矢印を向けました」