借金25億円から年商32億へ スーツで“富士山に登る”YouTuber社長に、奇抜な行動の理由を聞いた
YouTuber社長誕生、店舗拡大へ
展隆氏の奇抜な挑戦は、2013年の富士山が世界遺産に登録されたという話題から、社員の「スーツで登頂したらおもしろいのでは」の一言から始まった。 ちょうどその頃、アメリカのミキサーを販売する会社が、自社のミキサーで電化製品や靴を砕き、品質の証明を行った動画をアップ。その後、そのミキサーが爆売れしたというニュースを見て閃いたという。 スーツで登山することについて、展隆氏は当初「登山愛好会の方々に怒られてしまうのでは?」という不安があったという。 しかし、当時は卸売業から小売業に転換し会社への信用がない状態。知名度、信用を得るためにメディアの露出を増やすという作戦で実行することに。 登山中、展隆氏が懸念していたこととは裏腹に、登山家からは事情を説明をすると応援の声が多く届いたという。その後、この動画をYouTubeにアップすると新聞の取材を2件獲得。狙い通りだった。 そこから「次は社長にどんなムチャをやらせよう?」と社内で大盛り上がりし、今に至るという。 実際、スーツを着用したまま登山したことについて「一切ストレッチが入っていないスーツでしたが、窮屈ではなかったです。唯一、革靴で登ったのがきつかったですね」と話してくれた。 その後、展隆氏の挑戦は続き、メディアでの露出も増えたことで、店舗数を20店舗、30店舗、2019年には50店舗と拡大。2019年に株式会社佐田から現在の「株式会社オーダースーツSADA」に社名変更をした。
フルオーダーだからこその着心地
価格だけでなく、顧客からは着心地についても好評を得ているとのこと。フルオーダーだからこそ、ウールを多く使っているにもかかわらず「軽い」と言われることもあるという。 ある顧客からは「今まで十何年スーツを着ていましたが、SADAのフルオーダースーツを着て、サイズが合っていなかったことに気づきました」と言われたことも。 社長曰く「パターンオーダー、サイズオーダーではなく、一からお客様のためのオリジナルを起こしてオーダーするのがフルオーダーです。こんなに価格を下げられるのは工場を持っているからできるんです。フルオーダーをこの値段で提供できるのはうちだけです」とのこと。 現在、オーダースーツSADAはサッカーやラグビーなど、スポーツチームへのスーツ提供も行っている。 「スポーツ選手は体型ががっちりしているから、既製のスーツはそもそも着ることができないんです。サッカー選手の太ももはとても太いので、既製品では入りません。しっかりとサイズに合ったスーツを着てもらえることで、スラっと格好良く着こなすことができます。フルオーダースーツは、その人のために作っているスーツだからこそ無駄がないんです」 最後に今後の挑戦について聞くと、5月には台湾にある玉山、7月には北海道にあるトムラウシ山、8月にはキリマンジャロ、幌尻岳(百名山)の登山が決定しているという。 「日本のスーツ文化を再構築したい」 そう話す展隆氏は、今日もスーツで奇抜な挑戦をしている。
ほ・とせなNEWS編集部