借金25億円から年商32億へ スーツで“富士山に登る”YouTuber社長に、奇抜な行動の理由を聞いた
現場の把握、営業スタイルの変更
社長に就任後、父親の戦略に沿って会社を動かすことに。 しかし、突然現れ社長に就任した展隆氏に対して、社内からは反発もあった。 営業マンだった経験から、営業現場に赴き現場の状況を把握することから始めた展隆氏。面談などを通し、コミュニケーションを増やすことを心掛けた。すると、上層部と現場で話し合っている内容が違うことに気づいた。 現場の状況を把握し“御用聞き”の営業スタイルから提案営業スタイルを取り入れることに。そこから社員の意識も変わり、会社はV字回復を遂げた。 その後、一度は会社を離れた展隆氏。しかし、リーマンショックや東日本大震災が起きたことで、再度社長へ就任。 現場の状況を知った展隆氏は、製造卸売業というスタイルから経営再建のため直でお客様に売り出す小売業に転換。これは、今までスーツを卸していたテーラーたちに「今日からライバルになる」と宣言したようなものだった。 「社員だけでなく、業界では大不評でした。テーラーさんたちには、敵になるつもりはない。私たちは30代の若者を狙っているんです。フルオーダースーツの敷居を下げたいんです、と説得し、なんとかご理解いただけました」 その後、新宿に1号店を出店。小売業にしたことでキャッシュが手元に入ってくるのが早く、オープンセールの売り上げで後から敷金を支払った。
破格の値段で提供するも、ネット上では大批判
オーダースーツSADAといえば、フルオーダーのスーツを既製品のスーツと同価格の1組1万9800円からと破格の値段で提供している。しかし、当初はネット上で大批判を食らった。 「最終的な請求書だとゼロが1つ増えるんでしょ」「粗悪品を出している」などの書き込みで溢れたという。 「この書き込みにあるように、フルオーダースーツは価格が高いというイメージが強かったんです。フルオーダースーツのよさを知らない人、フルオーダースーツを試そうとも思わない若者が多くなってしまった。“敷居が高い”と言われるフルオーダースーツだからこそ、メーカーが直で小売りをするとここまで価格を下げることができるんだぞ、というのを見せたかったんです」 そして、オーダースーツの敷居を下げ、品質のよさを若者にも知ってもらうため、展隆氏はある行動に出る。